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Photo by
natsuhino
曇りガラスの向こう側
短歌二十首
どしゃ降りの雨音にピアノの音
しぶきあげるは美しき日々よ
曇りガラスに
はっきりとさよなら指で書き
すぐに息吐き掛けありがとう
ふと立ち止まり
流れる曲に君と心繋がっていた
忘られぬ日々よ
曇りガラスの向こうには
みんみん蝉に海開きだね
瀬戸内レモンの海辺には
灯籠流しと小さな祭り囃子
転勤先に
エールを送り君と走った
瀬戸大橋の大パノラマよ
海の街
草原とアートな建築
貝の博物館海のギャラリー
異空間
二枚の貝に守られた大切な
宇宙があるようだ
鷲が飛び
猫が寝転び草揺れる
潮騒聞こえここは楽園
青空と
雲が溶け合う空眺め
クリームソーダ飲みたい3時
緑雨降り
夏を色濃く大地を染めて
眩しそうな君の眼差し
絶望を
のんだつもりでうつむいて
いかつめグラサンかけてみる
バイパスの
街灯と路面電車の走る街
君を待って月を見る
美しい
希望の様なメロディーを
闇夜の中で聞く安らぎよ
どこまでか
落ちて地球の重力に
身をまかせたい優しい歌声
FMの
ジェットストリーム目を閉じて
夜間飛行に送るおやすみ
一人でも
カラオケボックス横揺れで
君に聞かせる歌の練習
目をつむり走馬灯は車窓の光
木枯らしゆらされバイオリン
窓辺に浮かぶ影
悲しみは歌にして
飛ぶ鳥に大きく手を振る
あなたの笑顔を最後まで探す
太鼓と口笛マンモス歩き