詩│水無月の傘花
月に降る雨 銀の雨
月に降る雨 金の雨
ただ流れゆくあの人への思いが
降ってゆく
金銀の星粒の流れが青い水草揺らします
優しい雨であるように
願いとなって降るように
月に降る雨 銀の雨
月に降る雨 金の雨
青い地球の曇り空
空を見上げる無口なあの子
月が見えない無常の時を
慕情が包んで輪を広げ
こらえきれずに溢れます
強い雨が緑を打ち続けた
路面がうつる小雨時
トンネルを抜けると緑の鏡が
泡曇りにゆらめく
雨傘とあの子の帰り道
ぽとぽとと蛇の目に進む
色とりどりのランドセル
小さな雨傘、シャララとゆれて
ピチピチ チャプチャプ
らんらんらん
心に差す大きな雨傘を
いつももってるあの人が
待っている場所へと帰るのよ
色とりどりのランドセル
小さな雨傘集まれば
雨粒弾けて
沢山咲いてる紫陽花みたい
こうべを垂れてもまた咲くよ
しぼんでも曇り空でもまた咲くよ
年ごとにますます澄んで
傘を差すよに咲いています
月から溢れた雨粒を
淡い光で包むのです
雨が打つほど色づいて
空をみられるこの時は
上を向いて咲いていたい
月に降る雨 銀の雨
月に降る雨 金の雨
月から溢れた雨粒を
ピチピチシャララと奏でてる
月が見えない空のした
あの人が傘を差してくれたから
月のように笑うから
紫陽花たちは水無月に
雨粒集めて咲いています
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