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kao1248
青いゆりかご
短歌十六首
つくつくぼうしの潮騒が
夕日に溶ければ夜波が満ちて
リンリンへ
高い雲に夢をのせた夏が散り
末広がりに泳いでいける
秋の朝
目覚て不思議と澄んでいて
ただシンプルに笑っていたよ
ほっとする
静かに静かに
ただ君を愛していける秋が好き
湿った落ち葉が月夜に光れば
伏せた瞼にそっと口づけ
鏡に影は写らないけれど
君は確かにここにいてくれる
きみといる忘られぬ恋しい人の面影ごと綺麗ズルいほど
でもいいじゃない恋は絶え間ない苦しみ生の王冠だと言うよ
宇宙を駆け巡り落ちてきたもの
全て愛の欠片さ恋石さ
王冠より千日紅の花冠を
そっとかけて朧月に
生きているその事実をこえるホントを言うような覚悟のあの人
真実の口に手を入れて
もう無邪気に笑えないのね
泣きながら
どんな真実告白されても意地でも
笑って抱きしめてみせる
寒暖の夜露朝露白露を結び息をのむよに地に落ちる
動かない
濡れた落ち葉の声がする
炎の矢から守ってあげたい
いったんもめんになってゆらゆらと
夜風に青いゆりかごを届ける