見出し画像

この方はいつも

この方はいつも大切なことを教えてくれる。

『ほんとうの味方のつくりかた』
松浦弥太郎さんの本である。

この方の言葉はいつもすーっと心の中に入って溶け込んでしまう。とても読みやすく、読んでいて心地がいい。

「味方」と聞くと誰しも「人」を思い浮かべるだろう。著者はこれを外側の味方と呼ぶ。
外側があるならば内側もある。著者は、習慣やものの考え方、資質や性格のことを内側の味方と呼んでいる。
この2つの味方について細かく掘り下げていくという内容である。

心に残った言葉はたくさんある。
その中で2つ挙げてみる。

人の心は理解できないものだ、とあきらめてしまうのではなくて、こう考えることはできないでしょうか。人というくくりには自分自身も含まれていて、自分の心のことなら、ある程度わかります。ですから、もしも人の心を知りたければ、まず自分の心を見つめれば、人が何を感じ、何を考え、何を思うのかなど、多少は分かるのではないだろうか、と。そしてそれがヒントになるはずです。

『ほんとうの味方のつくりかた』松浦弥太郎

人の悩みや痛みを理解してあげることは難しい。ただし理解しようとする努力はできる。今までの自分はそうとしか考えていなかった。
しかし、この言葉を聞いて、自分を深く理解することでその努力により深みを持たせることができるのだとわかった。
そして、自分を理解する方法として、内側の味方について考えるという方法がある。その味方の立場になって考えた時に、されて嬉しいこととされたくないことを考える。例えば、内側の味方のひとつに「時間」があるとする。自分が時間の立場に立って考えてみると、メリハリをつけて使ってくれたら嬉しい。反対に、無駄になりゆきまかせに使われたら悲しい、などといった具合に。

結果がどうであれ、情報は、足マメになって確かめた人の勝ちなのです。

限りなく素直な気持ちで、人から教えてもらったことに感動して、きちんと自分で行動して確かめていく───足マメの蓄積がじつはピンチのときに役に立つのです。

『ほんとうの味方のつくりかた』松浦弥太郎

ネットで調べたそこらの情報やSNSで流れてきた情報などを、聞いたその瞬間から自分の知識として簡単に取り入れることができるようになった現代だからこそ、まるで豊富な知識を持っている人に見せることができる。しかし、本当の知識とは経験で裏付けられたもののことであり、情報を得たときにはまず否定など一切せず受け止めたうえで、自分の足で行動して確かめていく。その結果がどうであれ、そうした足マメの蓄積が本当の意味での自分の知識の蓄積となる。
そういえば、論語にも同じようなことが書いてあったなぁ、と。三省の中の一つに、自分がきちんと理解出来ていないことを人に伝えていないか、というのがあった。なるほどそういうことか。

他にも仕事や人間関係や自分自身のためになる言葉がたくさん詰め込まれていた。自分の背景や経験と照らし合わせながら読める本。読み返したときには違う学びがありそう。

3時間ほどあれば読破できてしまうくらい読みやすい本なので、ぜひ気になった方は読んでみてください📖

いいなと思ったら応援しよう!