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緒續 一馬/おつづき農園

法人名/農園名:おつづき農園
農園所在地:熊本県熊本市
就農年数:11年
生産品目:小松菜、グリーンリーフ、メロン、スイカ(期間限定の贈答用)
HP:https://www.instagram.com/otsuzuki.noen/

no.132

競争相手なし。県唯一の小松菜農家としてシェア1位を堅持

■プロフィール

 祖父の時代はぶどうや米を生産するかたわら、牛の飼育を行い、父の代ではスイカとメロンを栽培するという代々農家の家系に生まれる。

 農業高校を卒業後、九州沖縄農業研究センターで研修し、2年間にわたって施設栽培や、退緑黄化病の耐病性に関するメロンの研究などを行った後、20歳で実家に就農。

 当初は、父のもとでスイカとメロンを作っていたが、いずれも糖度が高い秀品率を上げる技術の習得に時間がかかるうえ、重量作物のため、父が腰を痛めたことがきっかけとなり、転作を検討する。

 その結果、熊本県内では生産者が少ない小松菜ならば、市場規模が小さいのでトップになれる可能性を感じたほか、栽培の中心的な役割を担っていた父が第一線を退いても、人を雇用することで持続可能だと考えて選んだ。

 現在は、熊本県唯一の小松菜専門農家として、多い時で年間6作の栽培を行っている。

■農業を職業にした理由

 祖父の時代はぶどうや米の生産のかたわら牛を育てていたが、父に代変わりしてからはスイカとメロンの果樹栽培を始めた農家の家系に生まれる。

 農業高校を卒業後は、九州沖縄農業研究センターに2年にわたって研修勤務し、施設栽培や、退緑黄化病の耐病性に関するメロンの研究などを行い、20歳で就農。

 当初は、父のもとでスイカとメロンを作っていたが、いずれも糖度が高い秀品率を上げる技術の習得に時間がかかるうえ、重量作物なので父が腰を痛めたことがきっかけとなり、転作を検討するようになる。

 その結果、熊本県内では生産者が少ない小松菜ならば、市場規模が小さいのでトップになれる可能性を感じたほか、栽培の中心的な役割を担っていた父が第一線を退いても、人を雇用することで持続可能だと考えて決定。熊本県唯一の小松菜専門農家として、多いときは年間6作の栽培を行っている。

■農業の魅力とは

 小松菜の挑戦を決めた当時、熊本の青菜生産はほうれん草やチンゲン菜が中心で、市場規模が小さかったことから競争相手がいないとみて、栽培体系が確立する以前に着手しました。

 小松菜は農産物のなかでは比較的簡単な作物ですが、夏と冬で品種や生育速度も変わります。そのため、播種計画を誤ると、年間を通じて安定した雇用ができなくなることもあって、毎年の記録やデータ管理は最重要ですし、品種も毎年見直すようにしています。

 県内唯一の小松菜専業農家として、市場のシェアトップを守っています。でも、今後は販売先のバランスを見直して、生協などBtoBの取引を増やしたり、県外出荷を増やしていこうと考えています。

 夏場の鮮度を保つため、ウチでは収穫現場で袋詰めから梱包まで済ませて、1〜2時間のうちに冷蔵車で輸送しています。県内で唯一、コールドチェーンを取り入れている小松菜生産者として、取引先のスーパーマーケットから高い評価を得ていますが、評判に胡座(あぐら)をかかず、良い工夫があればこれからもどんどんチャレンジしていきます。

■今後の展望

 高齢化した生産者が増えるなか、農家の終活と、産地としての機能をどう維持していくかについて考えています。

 私も85歳の先輩から農地を借りているので、あとつぎのいない農家が引退する時、地域全体で農地の受け皿の機能を整えていかねばならないと感じています。

 今考えているのは、担い手がいなくなった農地を集約して、そこで働く意欲がある高齢者を雇用するなどの方法で、地域の産業として育てていきたいと思っています。

 農家の数が減ることは、耕作放棄地の増加だけでなく、地域の農家が共同利用している水利施設の管理の負担も大きくなるなど、さまざまな問題をはらんでいます。

 一方、新規の就農希望者に対しても農業経営のビジネスモデルを示していきたい。現在、就農希望者は親方のもとで研修すると、補助金を利用して独立するパターンが一般的ですが、農業には栽培技術だけでなく販路の開拓や経営に関する知識も必要です。

 そこで、ウチの農園に就職して一通り学んでもらった社員には、貸し与えた農地を運営してもらう「のれん分け」のようなシステムを考えています。これによって新規就農にかかる初期投資のリスクも軽減されますし、農家の仕事が、これまでの世襲制から、職業としての農業に発展すると思います。その布石として、2022年1月には、経営権を父から引き継ぎました。

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