鈴木 優也/鈴也ファーム
輸入車ディーラーの経験を活かして、農業をイメージアップ
■プロフィール
神奈川県の三浦半島で代々続く野菜農家の5代目。車好きが高じて、フォルクスワーゲンのディーラーになり、父親も「農業は気象条件に影響されてリスクが高い」として就農には反対していた。
2010年10月の脱サラ後は、ディーラー時代に学んだマーケティング手法を駆使して、飲食店や直売所などに聞き取り調査を行い、カラフルで見栄えの良い「レインボー野菜」の栽培に着手して好評を得るように…。
飲食業や老舗農家と共に農業生産法人を立ち上げ、2017年からは農業高校の生徒に、農作業体験や加工品開発を教えるプロジェクトに取り組むなど、担い手育成にも熱心だ。
■農業を職業にした理由
輸入車のディーラーだった20代、企業経営者の顧客から何度も「農業を継がないなんてもったいない」と言われたことが刺激となって、農業で何ができるかを考えるようになった。
農業が「3K=汚い、キツイ、稼げない」職業だと思われていることに悔しさを感じていたこともあって、フォルクスワーゲンで学んだブランディングやファン作りの手法を活かすことが、農家のイメージアップにつながるとともに、農業界全体が盛り上がるのではないかと考えて、親の反対を押し切って脱サラを決意した。
■農業の魅力とは
農業は野菜作りから販売・加工まですべての工程ができる可能性に満ちた職業ですが、農協や市場によって規格や価格が決定されている現状には、違和感を感じていました。
海外の市場を視察した際、曲がったり、デコボコした野菜も自然の恵みだと受け入れられているのを知ってから、ウチではさまざまなサイズや形をした野菜も「個性」だとして、分け隔てなく扱うことでフードロス解消にもつなげています。
また、横浜で500年続く椎茸農園と、三浦半島の飲食業者と共に農業生産法人「ヨコスカアグリファミリー」を立ち上げました。
ケチャップ会社や商工会議所とも提携して、非農家の子供でも農業を目指し、売上を上げることから考えられる生産者を育成するための「産農人プロジェクト」を推し進め、すでに2人が就農を果たしています。
■今後の展望
コロナ禍以前、取引先の8割は飲食店、残る2割はファーマーズマーケットと、顔が見える顧客が中心でしたが、今は「食べチョク」などの直販サイトからのお客が増えています。
今後は、そういった需要にも応えようと、自前のホームページを立ち上げたり、庭先直売所を作ることも計画しています。
また、横須賀には米軍基地で働く2万人がおりますが、バイリンガルスクールやマルシェで聞き取り調査した結果、アメリカの中流家庭では新鮮な野菜を食べたいというニーズが高いとわかりました。
基地内で野菜を売るのはハードルが高いですが、最も近くにいるアメリカ人の食事情に適した野菜の生産・販売にも挑戦したいと考えています。三浦半島で作った横須賀野菜の美味しさを、国内だけでなく世界に広めていきたいのです。
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