斉藤 雅通/Sai10faRM(斉藤農園)
父とは違う自分のカラーを「トマトベリー」で発揮したい!
■プロフィール
施設野菜を栽培する「サンドファーム旭」の共同創業者の息子として、あとを継ぐものと期待されることに息苦しさを感じ、高校卒業後も、フリーターとして農協のガソリンスタンドでアルバイトを続ける。
その間に同世代の農家と知り合ったことを通じて、農業への抵抗感が無くなり、22歳になった頃に、就農を決意して、サンドファーム旭に入社。
ミニトマト作りをしながら、試験的に始めたハート型をしたトマトベリーの栽培が軌道に乗ったことがきっかけとなり、2019年に経営を移譲して、独立に至る。
■農業を職業にした理由
ミニトマト農家の父を持ち、子供の頃から「農家の長男だからあとを継ぐのは当たり前」と言われ続けたことに反発して育つ。
高校卒業後もフリーターとして農協のガソリンスタンドでアルバイトを続けながら、自分と同世代の若い農家と仲良くなったことで農業への抵抗がやわらぎ、就農を決意。
ミニトマト栽培に励みながらも、親の敷いたレールどおりに仕事することにやり甲斐を感じられずにいたなか、「トマトベリー」を試験的に始めて出荷にこぎつけた時に、初めて農業の楽しさや喜びを感じることができて、「もっと勉強して良いものを育てたい!」と前向きな気持ちが芽生えた。
■農業の魅力とは
トマトベリーの試験栽培を始めた当初、耐病性が低く、栽培が難しい品種だったので、栽培農家は多くありませんでした。
生産者カードをつけて出荷し、購入客から感想が返ってきた時に初めて、自分の名前で野菜を出荷したいという気持ちが芽生えました。以来、もっと良いものを育てたいという欲が強くなり、先輩に相談したり、海外の技術なども研究したりしています。
千葉県旭市はかつて海だった場所にできた砂地なので、ネコブセンチュウなどの微生物が増えやすい土地です。いろいろな土壌消毒方法を試した結果、ヤシガラを培地に使うココバッグ栽培という技術にたどりつきました。
同時に、地上部分の管理にも力を入れて、光合成量や水分のコントロールなど、環境制御技術を導入しました。安定した収量を確保できるようになった分、自分を追い込んでいますから、ここから先は、農家としての僕自身の実力を試していかなければなりません。
かつて「トマトは水分量を絞れば、甘みが増すが、収量を犠牲にしなければならない」と言われていましたが、僕は両方を諦めず、トマトが持つポテンシャルを最大限に引き出していきたいと考えています。
■今後の展望
現在、生協のほか、直販サイトや道の駅、野菜バスなどに販売し、年間売上は継承前に比べると1.5倍に増えました。
僕ら家族とインドネシアの外国人技能実習生5人を入れた9人で経営しています。
2022年3月に、軒の高いハウスを新設したばかりですから、今まで以上に美味しさを追求していきます。今は定期的に農業講習ツアーに参加して、全国の生産者との情報交換や、新しい栽培技術の研究を怠りません。
千葉県は東日本大震災や台風の被害がありましたし、今は燃料や資材が高騰していて、農業をめぐる状況は楽ではありませんが、この苦境を乗り越えた時に「やっぱり農業って楽しいな」と思いたい。そのためにも、プロの生産者の誇りを持って、常に高みを目指していきます。
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