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田中 綾華/ROSE LABO

法人名/農園名:ROSE LABO
農園所在地:埼玉県深谷市
就農年数:9年
生産品目:食用バラ(冷蔵・冷凍の花びら)、生花真空パック(花びらの形が崩れた加工用、乾燥バラ)、6次化(ローズジャム、ローズティー、ローズハーブティー、ローズウォータースプレーなど)
HP:https://www.roselabo.com/

no.08

綺麗なだけじゃない。バラは食べられて美容にも役立つ!

■プロフィール

 東京・練馬の非農家家庭に生まれ、大学では国際政治学を学んでいたが、将来の目的もなく悩んでいたとき、「食べられるバラ」を知る。尊敬する曽祖母が夫に先立たれて子育てをしながら起業を成功させ、お守りのようにバラを愛していたことを思い起こし、栽培に関心を持つように…。

    大学を2年で中退したのち、大阪の食用バラ農家に押しかけ、22歳までの2年間にわたって住み込みで修行。

 2015年、親族や銀行から資金援助を受けて、埼玉県深谷市にビニールハウスを建設して会社設立。栽培しながら、週末にアグリイノベーション大学校の社会人向けの農業経営スクールに通い農業理論や経営について学ぶ。

 2019年には「Saitama Smile Womenピッチ2019」、2020年マイナビ農業アワード、第9回渋沢栄一ビジネス大賞(奨励賞)を受賞。

■農業を職業にした理由

 食べられるバラを知ったことがきっかけで、バラ栽培に関心を持ち、大学を2年で中退。大阪の食用バラ農家に弟子入りして、ロックウール技術を学んだ2年間で、農業界の担い手不足に直面し、バラ農家になろうと決心する。
  
 農地斡旋など新規就農者に対する支援体制が厚い埼玉県深谷市にビニールハウスを立てて栽培を始めたものの、1年目の2015年は3,000本を枯らし、売上が150万円にとどまった。そこで、アグリイノベーション大学校に通って農業理論や経営を学びながら、家族や友人を相手にプレゼンの練習を重ねた結果、商談を勝ちとるようになり販路開拓につなげた。

 バラの命を1日でも長らえようと、ジャムや化粧品などの加工品にも力を入れて2年目には2,500万円、3年目で1億円を達成。コロナ禍で売上が7割近く減ったものの、自社通販サイトの立ち上げに注力した結果、現在は右肩上がりに成長中だ。

■農業の魅力とは

 農業の魅力は、何者にでもなれて、可能性が無限大ということ。大阪の修行時代に、バラはキレイなだけでなく美容成分もあることを知って、化粧品やジャムに加工するためにも起業を決意しました。

 売れ残った花のフラワーロスも解消できますし、生の食用バラより賞味期限が長くなるので、百貨店やセレクトショップのほか、オーガニック食材や化粧品を扱うお店など、販路が広がります。

 これまで右肩上がりで急成長を続けてきましたが、私たちは戦略的に6次産業に取り組んできたわけではありません。

 ファーマーズマーケットで手売りしたり、炎天下に外で営業した経験も数えきれません。コロナ禍では売上の7割を失って、運転資金が底をつく危機にも瀕しましたが、通販サイトを立ち上げたり、SNSで積極的に発信したりして、回復しました。それも、バラの命を1日でも長く保ちたいという気持ちが根底にあるからです。

■今後の展望

 1つは海外進出です。ROSEはどんな国でも知られていますし、加工することで展開がしやすいことから、今後1〜2年でアジア、3年目以降は世界を視野に入れていきます。

 2つめは品種改良です。2017年にも大分のメルヘンローズさんと一緒にオリジナル品種を開発していますが、次はデザートのように甘い花びらを持った品種を作ることで、食用バラにさらなる付加価値を生み出したい。

 3つめは新薬の研究です。ドイツの大学の研究で、バラの香りには記憶力を向上させる効果があると報告されているので、産学連携で新薬を作り、ゆくゆくは介護施設や高齢者福祉施設に栽培用のビニールハウスができるよう構想を練っています。

 4つめは栽培のFC(フランチャイズ)化。現在の栽培施設では生産量が不足することは目に見えていますから、ビニールハウスを持っている農家に私たちがノウハウを提供することで、生産体制を強化し、食用バラの仲間を増やしていこうと、すでに動き出しています。

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