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穏当。【NME Japan編集長がちょっと思っていること 第292回】
今週は日本時間の月曜日に第67回グラミー賞授賞式が開催されました。ロサンゼルスの山火事があったことで開催を危ぶむ声もありましたが、予定通り日本時間2月3日にロサンゼルスのクリプト・コム・アリーナで開催されており、授賞式ではロサンゼルスの山火事からの復興に向けた資金を募るチャリティの要素が前面に出されることになりました。5年目となる司会を務めたコメディアンのトレヴァー・ノアは授賞式の途中で700万ドルの寄付がその時点で集まっていることを報告し、最優秀アルバム賞のプレゼンターはロサンゼルスの消防隊員が務めましたが、それは例年のグラミー賞授賞式とは違った雰囲気を与えることになりました。
いわゆる主要4部門と言われてきたカテゴリーについては広く報じられている通り、最優秀新人賞をチャペル・ローンが、最優秀楽曲賞と最優秀レコード賞をケンドリック・ラマーの“Not Like Us”が、最優秀アルバム賞をビヨンセの『カウボーイ・カーター』が受賞しています。こうした注目の集まる賞の受賞結果を見ても、今年のグラミー賞は真っ当だったなという印象があります。最優秀アルバム賞を黒人女性アーティストが受賞するのは1999年のローリン・ヒル以来で、ビヨンセは4度にわたってこの賞を逃してきましたが、ようやく獲るべくして獲ったというのが今年のグラミー賞を象徴している気がします。
今週はブラック・サバスの最後のライヴが開催されることも発表されています。最後のライヴは7月5日に故郷バーミンガムのフットボール・クラブ、アストン・ヴィラの本拠地であるヴィラ・パークで開催される予定で、メタリカ、スレイヤー、パンテラなど豪華アーティストが集結することも発表されています。ロック・バンドは最後と言いながら活動やリリースが続いていって、ピリオドが打たれるのは主要メンバーの死後、追悼という形で行われるというのが多いわけですが、メンバー全員が存命でありながら、ここまではっきりとピリオドを打つのも珍しいと思います。それも希代のフロントマンであるオジー・オズボーンがもうすぐパフォーマンスをできなくなる健康問題を抱えているからでしょう。
今週はオアシスの通算4作目となるアルバム『スタンディング・オン・ザ・ショルダー・オブ・ジャイアンツ』の25周年記念盤が2月28日にリリースされることも発表されています。再結成イヤーとなる2025年ですが、オアシスによる公式の第一手はこうした形となっています。
Pic by Blair Caldwell (C) Parkwood Entertainment
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