転禍。【NME Japan編集長がちょっと思っていること 第261回】
今週は出演がキャンセルになったシザに代わってザ・キラーズがフジロックフェスティバル ’24で初日のヘッドライナーを務めることが発表されました。ザ・キラーズがこれまでに出演した唯一のフジロックフェスティバルは2004年のレッド・マーキーで、2009年は出演がキャンセルになってしまっていたこともあって、20年ぶりに苗場の地に戻ってくる格好になります。今年は不朽の名作であるデビュー・アルバム『ホット・ファス』の20周年ともなっており、同作に収録の“Mr Brightside”は今年5月にオアシスの“Wonderwall”を抜いて、UKシングル・チャートで1位を獲得していない中では最も売れたシングルとして同国で557万枚相当のセールスを記録しています。
ザ・キラーズについては海外との人気の格差があまりに大きく、これまで来日公演が何度も中止になってきた過去があります。その中でも2007年に観られた『サムズ・タウン』ツアー時の来日公演のことは今でも色濃く記憶に残っています。東京公演の会場はZepp Tokyoで、正直お客さんはあまり入っていなかったのですが、バンドはその少ない観客を前に100%どころか、120%と言ってもいい渾身のパフォーマンスを披露してくれました。当然、海外では数々のヒット曲と地に足のついたライヴ・バンドとしての実力が相まって、2010年代にはグラストンベリー・フェスティバルをはじめとした世界有数のフェスでヘッドライナーを務めることになりました。
一昨日の6月12日にはUK&アイルランド・ツアーがダブリンで開幕したのですが、今回のツアーは結成メンバーのギタリストであるデイヴィッド・キューニングが2017年以来となる形でライヴにも復帰しており、ベスト盤『レベル・ダイアモンズ』のツアーということもあって、欠かせない曲が次々と披露されるセットリストになっています。そんなツアー初日の本編最後にブランドン・フラワーズは次のように語っています。「多くの人に僕らは偽物と思われていた。でも、批評家やアンチの声をかき消す大きな音があった。それはデイヴのギターでもなければ、ロニーのドラムでもなく、僕の声でもなかった。それはあなたたちだった。僕らが街を訪れると、あなたたちが来てくれて、すぐに前に別れた時と同じように迎えてくれた。古い友人のようだった。古い友人を新しく作ることはできない。だから、今夜この曲はみんなのものなんだ」
今週はコールドプレイが新曲を来週リリースすることも発表しています。新曲のタイトルは“feelslikeimfallinginlove”になると見られていて、クリス・マーティンの発言から推測するに、9月頃にリリースされる予定の通算10作目のアルバム『ムーン・ミュージック』から公開される最初の楽曲になるんじゃないと考えられています。12枚でアルバムのリリースを止めるとも言われるコールドプレイがどんな新曲を届けてくれるのか楽しみです。
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