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期待。【NME Japan編集長がちょっと思っていること 第237回】

今週はBBCが毎年発表しているサウンド・オブ・2024の候補となる10組のアーティストが発表されました。御存知の方も多いと思うのですが、BBCによるサウンド・オブのランキングは2024年で22年目で、毎年注目の新人アーティストを紹介しており、これまでアデルやストームジー、ウェット・レッグといった大物アーティストを輩出してきました。優勝者は新年の1月1日から5日にわたってBBCラジオ1で5位から1位のカウントダウン方式で発表されるとのことで、候補アーティストが1月8日にロンドンのメイダ・ヴェール・スタジオでライヴを行うことも決定しています。

2024年に向けて候補となったのはザ・ラスト・ディナー・パーティー、タイラ、ペギー・グー、アイラ・スター、ケイティ・ベイザー、CMAT、エルミーン、ケニヤ・グレース、オリヴィア・ディーン、シークーの10組で、今回はこの中から注目のアーティストを紹介していきたいと思います。まず1組目として御紹介したいのはザ・ラスト・ディナー・パーティーです。今年4月にデビュー・シングル“Nothing Matters”をリリースした時にも本稿では取り上げましたが、ロンドン出身の女性5人組で、人力のバンド・サウンドはダンス・ミュージックが大半を占める2024年の候補アーティストを考えると、異色の存在と言えるかもしれません。ただ、シアトリカルのライヴ・パフォーマンスも含めて、大きな可能性を感じさせてくれるバンドで、一足先にブリット・アウォーズの2024年のライジング・スターを受賞しています。

次に御紹介したいのはタイラです。南アフリカ出身の女性シンガーで、今年7月にリリースしたシングル“Water”が世界累計2.6億回の再生回数を記録しているアーティストなのですが、ナイジェリア出身のアイラ・スター、スーダン人とイギリス人のハーフであるエルミーンを含め、UKの音楽界におけるアフリカの存在感というのはどんどん大きくなっていて、今年の候補アーティストにはそれが反映されています。なかでもタイラはアフリカン・ポップスターとして世界的な成功を収める可能性を秘めているアーティストだと思います。もう1組、御紹介すると、ケニヤ・グレースになるでしょうか。今年、大ブレイクを果たしたピンクパンサレスに次いで、UKならではのビートに乗せて、ダンス・ミュージックのフィールドに留まらないポップネスを発揮できるアーティストだと思います。

今週はPUNKSPRING 2024が来年3月に開催することが発表され、SUM 41とNOFXがヘッドライナーを務めることも決定しています。NOFXもSUM 41も最後のツアーを行うことを発表しており、両者ともに最後の来日公演になると謳われています。世代ゆえか、こうした形でピリオドを打つバンドも増えてきました。貴重な機会を楽しみに待ちたいと思います。

Pic by BBC

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