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語部。【NME Japan編集長がちょっと思っていること 第273回】

今週はボブ・ディランの若い頃を描いた映画『ア・コンプリート・アンノウン(原題)』が『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』という邦題で2025年2月に日本公開されることが発表されました。NME Japanがこの映画について最初に報じたのは、今から4年半前の2020年1月で、ティモシー・シャラメが主演としてボブ・ディランを演じて、『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』や『フォードvsフェラーリ』で知られるジェームズ・マンゴールドが監督を務め、サーチライト・ピクチャーズが制作を手掛けるという内容でした。

この手の映画になると、途中で俳優をはじめ、監督や制作会社が変更になることも少なくないのですが、第一報の時点でボブ・ディラン本人もこの映画の企画に賛同していて、ボブ・ディランのマネージャーであるジェフ・ローゼンもプロデューサーに名を連ねていると言われていたこともあって、その枠組のまま映画は完成して、アメリカでは12月25日に劇場公開される予定となっています。映画の概要には次のように記されています。「1960年代初頭、後世に大きな影響を与えたニューヨークの音楽シーンを舞台に、19歳だったミネソタ出身の一人の無名ミュージシャン、ボブ・ディランが……1965年のニューポート・フォーク・フェスティバルでの画期的なエレクトリック・ロックンロール・パフォーマンスで頂点を極めるまでを描く」

2018年公開の『ボヘミアン・ラプソディ』の成功以降、ミュージシャンを俳優が演じる伝記映画のプロジェクトが数多く立ち上げられているわけですが、ビジネス面はもちろんのこと、最近のサブスク作品なんかを観ていると、昔のことを老害じゃなく次世代に伝えていくメディアとしても、この手の伝記映画は大きな役割を果たしているところがあって、少し前だとミュージシャン本人を映像で観られるドキュメンタリーやライヴ映像作品のほうが重んじられた傾向があったと思うのですが、今はそうした事実性・記録性よりも、よく知られている事実も含めて物語を伝えていく媒体として伝記映画が使われているようにも思います。

今週はコールドプレイが来年8月UKで大規模公演を行うことも発表しています。この公演の収益からは10%が、地元ライヴハウスを支援を行っているミュージック・ヴェニュー・トラストに寄付されるとのことで、ライヴハウスの閉鎖が大きな問題となっているUKでは一つ転換点を示すニュースとなっています。

Pic by 2024 Searchlight Pictures

『RADIO NME JAPAN~NEW MUSICAL EXPRESS JAPAN~』放送中
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