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素生。【NME Japan編集長がちょっと思っていること 第282回】
今週はまず2009年以来となる形でリアム・ギャラガーとノエル・ギャラガーが同じステージに立つことになるオアシスの再結成による来日公演が正式に発表されました。これまでの世界各都市での発表にならって、屋外広告の写真と共に公演の発表が予告されていたわけですが、同じアジアとして韓国公演と一緒に予告されることになった来日公演は2025年10月25日・26日に東京ドームで開催されることになります。バンドは来日公演の発表にあたってコメントも寄せていて、「日本のみんな、俺らは君たちのことを忘れてないぜ。オアシスが来年会いに行くよ」と述べているのですが、「忘れてない」という表現にいろんなものを感じてしまいます。
今週は週末にデュア・リパの来日公演にうかがうこともできました。先日もこの稿で取り上げたグラミー賞のノミネーションを例に挙げるまでもなく、テイラー・スウィフトやビヨンセなど、2024年は女性アーティストが大活躍の年で、ビリー・アイリッシュやオリヴィア・ロドリゴといった新しい世代をはじめ、今年はサブリナ・カーペンター、チャペル・ローン、チャーリーXCXの大ブレイクもあったわけですが、そんな女性アーティスト大戦国時代にあっても、デュア・リパが突き抜けた存在感を有していることを証明してくれるようなライヴでした。
感銘を受けた場面はいろいろとあったのですが、最も印象深かったのは前作『フューチャー・ノスタルジア』に収録の“Hallucinate”から始まった第3幕で、彼女のキャリアにおける最大のヒット曲と言える“New Rules”が演奏されたのもここだったのですが、ピークを迎えたのはその後のシルク・シティとのコラボレーション曲“Electricity”で、レーザーも使った巨大レイヴの空間を展開していました。そこには彼女にとってのアイデンティティとしてのダンス・ミュージックという姿勢がよく表れていて、同時にヨーロッパ的なものも感じて、なぜ彼女の音楽が表面的なミラーボール・チューンにならないのかを見せつけられた気がしました。
今週はデンゼル・カリーの来日公演も観ることができたのですが、素晴らしいものでした。ひょっこりとステージに現れるやいなやオーディエンスに火を点ける様は圧巻で、ピットが何度も作られたその熱量を含めて、フェスティバルで観たステージとはだいぶ違う印象を受けました。
Pic by Simon Emmett
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