暗躍。【NME Japan編集長がちょっと思っていること 第248回】
今週はアメリカでスーパーチューズデーがありました。いわゆるアメリカ大統領選挙に向けた予備選挙・党員集会が集中する日のことで、1984年にアメリカ南部の州の予備選挙の日が統一されたことで、スーパーチューズデーが生まれることになりました。なので、現地時間3月5日に15の州にワシントンD.C.を加えた16の予備選挙が行われたのですが、結果は御存知の通り、ドナルド・トランプ元大統領が15の州のうち14の州で勝利を収めることになり、対立候補だったニッキー・ヘイリー元国連大使は選挙運動から撤退することを発表しました。
ここでも注目を集めたのはテイラー・スウィフトで、選挙当日はアメリカにはおらず、ツアーのためにシンガポールに滞在していましたが、インスタグラムのストーリーズでアメリカのファンに投票に行くように呼び掛けていました。彼女は地元のテネシー州を引き合いに出しながら次のように述べています。「今日3月5日はテネシー州と他に16の州・地域で大統領選の予備選挙が行われる。みんなを最も体現してくれる人に投票することを思い出してほしいと思った。まだだったら、今日投票する計画を立ててみて。テネシー州にせよ、他の地域にせよ、投票時間と投票場所を確認してみて」
テイラー・スウィフトは投票を呼び掛けたものの、支持する候補を明言しなかったことも巷のニュースでは取り沙汰されました。「アメリカ大統領選挙の鍵を握るキーマン」という見立ては日本でも大手メディアで報じられることになり、すっかり世間にも定着することになりましたが、これはソーシャル・メディアというものに顕著なように、政治に留まらず、あらゆることがポピュリズム化していることの証左なのだと思います。そのパワーゲームは11月のアメリカ大統領選挙までいろんな業界を巻き込みながら加熱していくことになるのでしょう。
今週はアリアナ・グランデの4年ぶりとなるアルバム『エターナル・サンシャイン』を始め、ブリーチャーズのダーティ・ヒットからの移籍第一作、ザ・ローリング・ストーンズの『ライヴ・アット・ザ・ウィルターン』など、注目作がリリースされており、ザ・リバティーンズ、ジャスティス、ガール・イン・レッド、コナン・グレイ等の新曲も届いていて、これから腰を据えて聴くのが楽しみです。
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