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奇遇。【NME Japan編集長がちょっと思っていること 第275回】

今週はコールドプレイが通算10作目となるニュー・アルバム『ムーン・ミュージック』をリリースしました。アルバムとしては2021年10月にリリースされた前作『ミュージック・オブ・ザ・スフィアーズ』以来、3年ぶりということになります。ただ、アルバム・タイトルとなった『ムーン・ミュージック』という言葉がクリス・マーティンから発せられたのは昨年1月というかなり早い段階で、その時点で「アルバムを仕上げているところなんだ」とまで語っており、やっと世に出ることになった新作ですが、多くは2022年にはレコーディングされていたと考えるほうがいいのかもしれません。

大物アーティストのリリースが何年も前から準備されているという例は少なくないわけですが、それにしてもコールドプレイのキャリアの進め方というのは珍しいもので、その最たるものが以前から語られていた「12枚のアルバムをリリースしたら、レコーディング・アーティストとしてのキャリアは終わりにする」というものでしょう。新作に際してクリス・マーティンは『NME』のインタヴューにも応じているのですが、そこでも改めてその考えについて語っています。

「12枚で終わるというのはすごくリアルだし、いい形だと思っているんだよね。とはいってもツアーをしないわけではないし、コンピレーションとかアウトテイクで終わらせるわけでもない。柱となるストーリーは語られたということだよね。それがいいと思うんだ。そうなることが分かっていると、今やってることも加速するんだよ」これをエゴのなさと捉えるか、あまりにも大きなエゴと捉えるかは、人によって違うと思いますが、振り返ると“Yellow”の頃から、コールドプレイというバンドの核心はここにあるのだと思っています。

今週はカート・コバーンの娘であるフランシス・ビーン・コバーンが第一子を出産し、エミネムの娘であるヘイリー・ジェイド・マザーズが妊娠したことも報じられています。生まれた年で5年の差があるカート・コバーンとエミネムですが、90年代のアイコンと2000年代のアイコンが共に初孫について同時期に報じられていることに不思議なものを感じています。

Pic by Anna Lee

『RADIO NME JAPAN~NEW MUSICAL EXPRESS JAPAN~』放送中
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