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金言。【NME Japan編集長がちょっと思っていること 第276回】
今週は米『ビルボード』誌のインタヴューを受けたジャック・アントノフの言葉に頷かされるところがありました。今夏のサマーソニックでも来日を果たしたブリーチャーズについてはNME Japanが選ぶベスト・アクトのランキングでも1位に選出しましたが、グラミー賞ではジャック・アントノフは目下3年連続でクラシック以外でのプロデューサー・オブ・ザ・イヤー賞を受賞している格好で、今年もブリーチャーズの最新作はもちろんのこと、テイラー・スウィフトの最新作、サブリナ・カーペンターの最新作でも4曲に参加していることもあったりして、有力候補となっています。
そうした状況を受けて行われたインタヴューだったのですが、そのサブリナ・カーペンターをはじめ、チャーリーXCX、チャペル・ローンといったアーティストが春から夏にかけて世界を席巻している状況について訊かれたジャック・アントノフは次のように語っています。「サブリナ・カーペンター、チャーリーXCX、チャペル・ローンは、3人ともアーティストとして共通しているのはずっと自分を磨いて、結晶化させる時期があったということなんだ。そうすることで、宝石になったんだよ。そして、それがアーティストとしての物語になっていく。これが本当のアーティストとしての進歩だよね。それはテックとかストリーミングとか、そういうものは関係ないし、唯一勝つことのできる方法は自分自身の言語を生み出すことなんだ」
こうした状況を受けて、本日10月4日にはチャーリーXCXが6月にリリースした最新作『ブラット』のリミックス・アルバム『ブラット・アンド・イッツ・コンプリートリー・ディファレント・バット・オールソー・スティル・ブラット』がリリースされましたが、アルバムはアリアナ・グランデ、ジュリアン・カサブランカス、ビリー・アイリッシュ、ザ・1975、ロード、ボン・イヴェールといった豪華アーティストが参加しているというだけでなく、この夏の一大現象を受けて膨大な文脈を踏まえつつも、チャーリーXCX自身の物語になっているという素晴らしい作品になっています。
今週はザ・キュアーの16年ぶりとなるニュー・アルバム『ソングス・オブ・ア・ロスト・ワールド』から2曲目の楽曲となる“A Fragile Thing”の音源も公開されています。先々週もザ・キュアーのことを書きましたが、アルバム・リリース日である11月1日に向けて、あまりにも順調に事が進んでいるのが不思議な気分になります。
Pic by Harley Weir
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