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木曽駒ヶ岳

木曽駒ヶ岳、宝剣岳付近の、山容の違いについて調べてみました。同じ花崗岩類でできていますが、主峰・木曽駒ヶ岳は、主峰というにはあまり目立たず、なだらかで丸っこい山容です。また山頂付近には大きな岩が少なく、花崗岩質の岩屑、礫に覆われています。
 一方ですぐ近くにある宝剣岳は、その名の通り、剣のような鋭い岩峰です。千畳敷カールからの堂々とした姿は、北アルプスの槍ヶ岳を思わせます。麓の伊那谷や、対岸にあたる南アルプスの山からも、小さいながらも宝剣岳は目立ちます。
 標高は木曽駒ヶ岳より若干低く、また山体も小さいのですが、実質的には中央アルプスのシンボルと言える名山です。
 このような山容の違いに与える因子としては、一つには氷河期における、カールによる氷食作用が挙げられ、 宝剣岳の場合は、東面の千畳敷カールを作った山岳氷河によって、山の東面が大きく削られています。また「周氷河作用」とは、氷河の有無とは関係なく、強い寒冷気候の元で働く、浸食、風化作用を意味し、木曽駒ヶ岳周辺の標高の高い部分では、この「周氷河作用」により、岩屑、礫で覆われた、なだらかな斜面が発達し、木曽駒ヶ岳から中岳、乗越浄土付近のなだらかな山稜はこの典型です。

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