その先に3番
一進一退だがそれに一喜一憂しておれない。阪神は今年、新人の昨年チャンスに強い打撃で右翼3番を獲得した森下がより上を目指し打撃フォームを変えたのが裏目に出て今年不振が続き右翼のポジションを明け渡した格好で今空き家状態、その分若手にチャンス、今注目は豊田と野口だ。
豊田は東海大相模高、国際武道大、日立製作所から令和4年ドラフト6位で入団して3年目。野口は長崎創成館高、九州産大を経て5年育成ドラフト1位で入団、昨年11月支配下契約を結んだ。左打ちの野手が多い中でともに右打ちであるのも二人に幸いした。
最初存在をみせたのは6月26日の中日戦で10回代打に起用され橋本から2塁強襲安打を放った豊田だ。その時の印象が強く残っていたのではないかと思うが、岡田監督は森下後退の後3番不在に陥り前川を4試合3番に使ったが結果は出ず7日のDeNA戦、豊田を抜擢した。
ところが豊田、1回先頭近本左翼線2塁打、中野左前安打、1、3塁で迎えた最初の打席1-2後の5球目156kmの直球に空振りの三振。3回の打席は2球目を遊ゴロ、5回は1-2後の4球目を見送りの三振。
この試合の同じ5回無死1塁で西純に代り代打に起用された野口が右前安打。この打球をDeNAの右翼度会が後逸、1塁走者は一挙本塁に帰り、野口も3塁に進み後近本の右前安打で帰り2点目を挙げた。そんな事があった後の見送りの三振だ。6回の守り代打野口はそれまで豊田のいた右翼に入り、豊田はベンチ、代わりの3番の打順には投手の富田が入った。
その後ベンチ最前列で声出し役の豊田をしり目に野口は6回に回ってきた2度目の打席1死満塁で大きな中犠飛、打点1を記録した。この試合阪神は9回裏2点を入れて逆転勝ち、試合後野口は殊勲者の一人としてお立ち台にあがった。
昨年支配下登録を勝ち取り背番号が三桁の121から97に変わった事で忘れられない思い出がある。
今年1月1軍のキャンプを前に入った甲子園球場でのクラブハウスでの事。梅野と青柳の間に97の番号の自分のロッカーを見つけ、目頭を熱くした。野口はこの事を長崎在住の両親にLINEで伝えた。
9日からのヤクルト戦、野口は3番に起用されると思う。結果を残せば継続されるが見送りの三振をしたりしたらそれまで。遅れをとった豊田が虎視眈々控えている。
令和6年7月9日