番外編〜日曜日の優勝

プロ野球は2月1日のキャンプインに向かて動き出したが、28日、パリ五輪出場をかけた全日本卓球選手権女子で早田ひなが優勝、2位は平野美宇で東京五輪金メタルの伊藤美誠は3位で五輪出場は二人とあって代表をにがした。

 早田は東京五輪では3位で代表になれなかった。パリ代表はその雪辱だったがそれが叶った後しみじみ漏らしたのは「代表が3人だったらいいのに」だった。早田、平野、伊藤の3人は年は同じでその中で切磋琢磨してきた。東京では伊藤、平野、早田の順がパリでは早田、平野、伊藤に変わった。

 試合会場では気丈に振舞った伊藤は控室で一人になると「東京では最高の位置にたったが、悔しい」と言い、涙がこぼれた。

 同日行われた大阪女子マラソンでは1位はエチオピアのW・エデサだったが前田穂南は日本新の2時間18分59秒で2位に入った。これまでの日本記録は野口みずきが持っていた2時間19分12秒。19年ぶりの更新。「日本記録を出したい思いがあったので体が動いたら行こうと決めていました」。

 以前は重圧に押しつぶされ、思うようなレースが出来なかった。33位に終わった東京五輪もそうだった。コロナ禍で当初から開会が1年延期。時間が経つのに従い重荷を感じた。7位に終わった昨年のマラソン予選でも極度に緊張、悪天候の影響もあって不本意な結果となり大号泣した。そんな前田をこの日鼓舞したのは今年70歳、監督歴29年の天満屋武富豊監督。年末年始の米アルバカーキの合宿の前田の40km走に現地で購入の自転車で伴走した。レース中横の道を走った父哲宏さんも声をからし声援を送った。

 3月の名古屋ウィメンズマラソンで記録が上回るという条件が付くが前田は「パリ五輪では自分の走りで世界と勝負」を宣言した。その一方、大阪では3戦3勝の松田瑞生が5分29秒差で3位、「マラソンは難しい」と言って泣きじゃくった。

 涙といえばこの日大相撲初場所優勝決定戦で照ノ富士に負け初優勝を逃がした琴の若の目から涙が一筋伝わった。横綱の3場所休場の後の9回目の優勝に調整力を褒める声がある一方で体が戻るまで休んだ事に異論があった。後者に傾く当方は上記の優勝者とは違った目でみた。

令和6年1月30日

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