覚悟
この選手には「俺は高校出だがここまで社会人野球、独立リーグをへている。普通の高校卒とは違う。年を食っている分早く道筋をつけないと負ける」という覚悟がある。今年阪神にドラフト2位で入団した椎葉剛投手だ。長崎の島原中央高から社会人野球のミキハウス、四国ILリーグ徳島を経ているため今年21歳。今年高卒より3歳上だ。
思うだけでなく行動に移すのが早いのは強い覚悟の表れ。3日前、「ピッチングはしているが打者相手に投げていない」と岡田監督に打撃投手を志願した。「そういう気持ちは大事にしないと」と岡田監督。
そんな経過で7日、椎葉、宜野湾村球場、打撃練習でメイングランドのマウンドに上がった。対戦した打者は前川と小野寺。昨年1軍経験のある若手だが、最速158kmの直球をおめずおくせずズドン。スライダー、カーブはゾーンに集めた。打者をまたいで7球ボールが続く事があったが、「試合だったらフォアボールだったので良くない」と降板後反省した。
二人に40球投げた打撃投手初お目見え。安打性の打球は3本。岡田監督は「ちゃんと投げたのと違うか」と合格点。最後小野寺をファールさせた投球を「良い当たりされたくないと、最後ぴゆっと力入れよった」と付け加えた。
負けん気の強さも伝わった。覚悟の椎葉、打撃投手志願には11、12日に行われる紅白戦を見越していた。自身もいい感触のこの日の投球、「この感じで行けば行けるような気がします。状態を上げたいと思います」と迷いは無かった。
「ここまでの姿を見ると実戦が楽しみ」という岡田監督「普通に投げさすつもりやったから抜擢やない。最初からそう言うつもりで。下村(ドラフト1位)は先発やが、椎葉はどちらか言うたら後ろの方やろな」。
1軍登板を越えて本番での持ち場まで示唆された。見せた覚悟、これから問われる。
令和6年2月8日