なせば成る
阪神で今年2年目のJ・ビーズリーは大リーグのエンゼルス、ブルージェイズなど3球団に在籍、18試合に登板しているが全部リリーフだった。阪神には昨年入団したがリリーフ要員でスタート。それが1年目昨年のシーズン途中、鳴尾浜視察の岡田監督が上から威力のある球をみて先発に転向を示唆した。
リリーフ予定で入団の外国人投手が入団後先発に転向、成功した例としてあのメッセンジャーを思い出すが、昨年から先発に転向、一からやり直し、それは2年目の今年、形になり2軍で40イニング無失点の成績を残して5月中旬に1軍昇格、5月18日のヤクルト戦に先発、5回を0に抑え初勝利を記録した。
その後25日の巨人戦に6回を0に抑えて2勝目。6月1日の交流戦ロッテ相手でも6回1点。そしてこの日の西武戦。6日置いての先発はローテーションの一角に入っているのを物語った。今の阪神、固めて点が取れない。先発は先に点を取られるのは禁物。取られれても僅少点でないといけない。ビーズリーが4度目の先発をした8日の西武戦はそんな状況下の試合。1回2死後栗山に右前安打されたが4番元山を2ゴロ。2回無死長谷川を歩かせたが西川右飛の後住谷2ゴロ併殺。3回は8番以下を3人でおさえた。
その裏阪神、無死梅野、木浪が西武先発高橋から連続安打で1、2塁。ビーズリーの打席、4球目、サイン通りバントしたが1塁元山の正面、3塁に向かった走者がアウト。ビーズリー1塁に残り1、2塁で中野が右翼線に2塁打、2塁走者が帰り1点。なお2、3塁で森下が高橋の1球目を左前安打して2点目。一挙3点。5回にも1死後中野が中前安打、前川右前安打で1、3塁の後森下が中前にヒット、1点入り4-0。
その間ビーズリー、5回無死長谷川に中前安打されたが西川2ゴロ併殺。6回無死内野安打と四球の走者を出したが後を依然威力の直球で抑え、7、8回は3者凡退。
これまでメジャーはもちろん先発を目指し練習した鳴尾浜でも考えなかった完投、完封が見えてきた。試合後岡田監督が語ったところではビーズリーは監督に「9回まで行かせて欲しい」と言ってきたという。監督は二つ返事でOKしたがさすがに完封は難しく無死源田中前安打、山野辺四球で1、2塁の後暴投で2、3塁に進まれ元山の2ゴロで1点,完封はならなかったが長谷川を左飛、夢にも見なかった完投勝利を達成するとマウンド上で場両手を高く上げ万歳した。
「誇りに思ているファンの前で完投出来て嬉しい。去年日本で生まれた娘を球場に連れてこなかったのが残念だった」がお立ち台での喜びの声。岡田監督は「今才木と並んで頼りになる。2本柱だ」と褒めた。
令和6年6月9日