深慮遠謀

阪神は27日、約1ヶ月か月の沖縄宜野湾村でのキャンプを打ち上げた。主力選手は昨年の成績から足りて無かったところを磨きその意味では成果ありだったが、中盤まで成長に見るべきものがあり、1軍割込みも期待された井上、前川、野口、福島の若手野手が前川以外キャンプ最後のオープン戦3試合で力を見せられ無かった。

 今後は場所を本拠甲子園球場に移し練習、オープン戦を重ね3月29日の開幕に備える。打ち上げ2日前25日の練習で右ひじの痛みを訴え16日から別メニューで調整していたノイジーが1軍本隊に入り打撃練習、快音を響かせた。ノイジーは24日宜野座村残留組に混ざりバッティングを再開していた。ひじの状態も良いからと左翼でシートノックにも加わろうとしたが、岡田監督が「そんなにやらんでもいい。キャッチボールだけにしとけ」と止めた。

 ノイジーの打撃には一定の信頼を置いている。左翼に考えているが故障で1軍から離れている間に空いた左翼に3年目でバットの操作が出来るようになった前川が入った。前川は打ち上げの27日、投手の岡留とともにキャンプMVPに選ばれた。力をつけたのは間違いないが左翼定着までほのめかしたのは岡田監督の策略でポジションを取られるの危機感からノイジーは調整を急いだ。それで十分だった。ノックにストップをかけたのはそれ以上無理させる事は無いと考えての事だ。

 監督が井上、野口、福島を脱落と決めつけず3月のオープン戦に起用を続けるのも同じで与えられたチャンスに応えたら、即戦力の補強ができず昨年と変わらないメンバーに刺激を与えられる。それが狙いだ。もちろん、結果良しで1軍は本人の望むところだがそのため試練を課している。

 3月のオープン戦は2、3日札幌、5、6、8、9、10日が甲子園だ。井上、野口は2、3日の札幌には行かせてもらえずその間広島の由宇でのウエスタンリーグ教育リーグの広島戦に回された。2軍なら4打席打てるが岡田監督、本当のところはほかにあって「ドーム(札幌)は暖かい。比べて由宇は寒い。ちょっと寒いとこにいかせんと」身を引き締めてこいというわけだ。

 連覇も1軍の座をつかむのは大変だ。

令和6年2月28日

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