不完全燃焼の橋下足立論争から見えてきた新55年体制からの卒業
国会議員には、文章通信交通滞在費という名目の毎月100万円のお小遣いが振り込まれているらしく、これに驚いた新人議員小野たいすけ議員がこの内容に関する疑問を投げかけ、これに呼応する形で日本維新の会の創設者である橋下徹氏と同党の衆議院議員足立氏がこのお小遣いに関して、ツイッター上で激しいやり取りを繰り広げていました。
そもそもの争点は
小野議員は10月31日から当選ということだったので、1日しか勤務していないものの、文章通信交通滞在費が1ヶ月分払われていたってことに対する問題提起だったはず。
これに対して橋下氏が、今回の解散前の維新の会の国会議員たちは月の半分しか働いていないのに、100万円満額(と他の報酬も合わせて)もらっているのはおかしいというツイートを連投→足立議員が国会議員の実務を知らないで批判するな→お互いに世間知らずだと罵り合うというところで、この論争自体はまったく興味をひかない内容なのですが、この全体像を俯瞰した渡瀬裕哉さんの分析が面白く、今の自公立共が同じ(低)次元でじゃれ合っている現状を打破できるのではないかと思いました。
維新の会の視点と岸田ビジョンの違い
大阪維新の会の成り立ちは、当時の大阪府政を支えていた自民党から改革派の松井現大阪知事が分離してできた政党で、そのスタート時点から改革が党としての旗印でした。この場合の改革は何かというと、大阪=地方の視点で政治をするという立場です。一時期は大阪都構想に加えて、道州制の推進を強く訴えてましたね。
一方、岸田総理はデジタル田園都市構想を打ち出しているので、地方推進と一見すると維新の立場と同じようにもみえます。しかし、維新の会は大阪のしかも地方議員からであるのに対し、一方の岸田ビジョンだと東京の視点から、しかも国会議員からの視点となっている時点で似て非なるものです。
どちらがいいという話ではなく、単に違うというところがミソで、例えば、ガソリン税の暫定税率を一時停止しないのかという質問に対し、松野官房長官はガソリンの買い控えが起こるという回答をしていましたが、これは週末にドライブで自動車使うような東京の国会議員の視点ですね。地方の視点だと自動車は生活の足代わりでガソリンなんて毎月定期的に入れるものだから、買い控えの余地がほぼありません。
脱新55年体制を壊す新しい軸
今後、中央集権と地方分権が政治対立軸として、明確にできれば、今の新55年の低レベルな政治から卒業ができると淡い希望を抱くことができます。
この場合、中央集権=自民、立民対地方分権=維新、国民、というところで分かれつつ、全国組織を持つ公明、共産がどちら側につくのかも気になってきます。公明はどちらか強い側に、共産は党の性質上、中央集権側だとは思いますが。
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