サガン鳥栖、生き残れるのか?

このコロナ禍で多くの会社が経営危機に陥る中、サガン鳥栖も凄まじい額の損失が発生したということで、財務会計を生業としている以上、ざっと中身を見てみました。

過去3期分の決算をみると2019年1月期の決算は大型補強をしたおかげで増収となったが、それに見合う成績は得られなかったため、リーグ分配金や入場料収入が増えず、営業損失、前の監督を解任した違約金等も多額に発生し5億円の損失となっています。

更に2020年1月期の決算は売上高25億円、当期純損失20億円!と大口スポンサーの撤退がモロに響いた形となっています。

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スポーツチームの経営の難しさは成績と人件費が必ずしも連動しておらず、いい選手を取ろうとすればするほど、複数年契約と高額年俸となり、往々にして想定した結果が得られずに存続の危機になりやすく、古今東西、破綻が多い。収入は変動しがちなのに支出は固定費が大きく、しかも支出が先行しやすい、継続性の観点からは経営が難しい業態でもあります。

では、2021年1月期のサガン鳥栖は事業継続できるのかが気になるところです。貸借対照表項目の詳細な情報がないのでキャッシュフローの予測が難しいのですが、大体40億円から50億円の支出が出るのに対し、入場料収入とグッズ代収入も相当落ち込むはずで、大口スポンサーが付かない限り、またしても営業損失で資金ショートになるはず。

一応、メインのスポンサーが付いたようで何よりだけど、AIベンチャーでかつてのDHCやCygamesほどの広告投入予算あるのかも気になるところですね。https://www.sagan-tosu.net/news/p/4607/

いずれにせよ、相当厳しい状況なのは確かなので、これからもサガン鳥栖のいく末を追いかけてみようと思います。


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