今日から台湾総統選の立候補が始まる
ここ台湾では四年に一度、大統領に該当する総統を選ぶ選挙が行われます。投票日は年が明けた1月13日ですが、立候補者の届出期間は今週から。まだ全ての立候補者が出揃っていませんが、それぞれの候補者に関する生活者感覚を書いてみます。
終始リードを続ける民進党・頼清徳氏
現民進党党首であり、蔡英文政権を副総統として支えている人。台南市長時代の評価がよく、市民のことを真剣に考えてくれる市長との評判。世論調査を見ても、いっときは支持率が低下した時はあったものの、概ね30%の支持率を割ることがなく、今の時点でも支持率トップ。政策の予測可能性が高く、民進党の価値観を体現している人でもある。地方選での惨敗に見られるように、民進党の実行力の弱さをどう好転させていくのかが気になるところ。
破天荒な民衆党の柯文哲氏
元台北市長で朝のテレビを見ると、この人かテリー・ゴウさんかどちらかの登場頻度が最も高い、面白い人。そもそも、民衆党の結党が2019年とまだ日も浅く、政策を見ても国民党みたいなものもあるし、民進党みたいなものもあるし、いい意味でいいところ取りを目指しているのだろう。
民衆党の名称自体が傍目に見るとポピュリスト党みたいな印象を受けてしまうのだけど、国政でも議員数が113議席のうち5議席しか持っておらず、これが実は面白い位置にある。というのも、現在の国政の選挙だと民進党が過半数取れるかどうか不明な状態なので、国民党と民進党がそれぞれ過半数取れず、民衆党の協力が得られないと何も決まらない状態というのがあり得る。しかも、結構な確率で。となると、圧倒的に美味しい立場にいるのが民衆党。キャスティングボードを第3党が握る状態という、日本でいうと公明党みたいな立ち位置。
正直なところ印象がない侯友宜氏
新北市長を務め、中国国民党から出馬する予定の侯氏。民進党のような中国との一切の対話をしないようなスタンスとは逆の立場を取り、まずは両岸協定の有効化に取り組むというのは他の候補者とは一線を画すところであろうが、一国二制度には反対、今年の8月には自民党の麻生副総裁にも合っているあたりは他の候補者との差別化が難しい印象が強い。
なぜ立候補するのか、郭台銘氏
富士康の創業者であり、国民党員でもある郭台銘(テリー・ゴウ)氏。今回の選挙に突如として立候補しています。政策は正直論じるようなものもないのだけど、なぜここに来て総統選に出てきたのかがいまだに謎。いや、表面的には色々と説明はしているのですが、大金持ちで権力もあるのだから政治家にならなくてもいいのではという疑問しかないのですよね。
まとめ
残り1ヶ月ちょっとというところですが、これから情勢に変化は出てくるか?毎回選挙の直前にアクシデントあったりするようなのでちょっとそこが楽しみだったりもします。