英文法解説「お客を表す様々な表現」
こんにちは。
飽き性の私が10回もちゃんと続けれるとは思っていませんでしたが、自分でも勉強になるため楽しくやらせていただいています。
さて、今回は「お客」を表す様々な表現をそれぞれの使い方に分けて紹介したいと思います。
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ややこしい「お客」にまつわる英単語
日本語ではお店や企業にお金を払ってくれる対象のことを一重に「お客」と表現します。また、式典やパーティに招待された人も「お客」と表現することができます。
しかし英語では対象との関係性や、どの様な目的を持って扱われる客なのかによって表現が分けられます。「全部客でいいやん」と思われるかもしれませんが、何故その様に表現されるかを、語の成り立ちから理解すれば納得されると思います。
customer(顧客)
先ずはcustomer「顧客」についてです。顧客とは大雑把にいうと定期的な商品の購入を前提としたお客のことをいいます。お店や企業の取引先などのお客に使われることが多いです。
customerはcustom + erで構成される語です。customは「習慣、風習」という意味を持っており、「~する人」を意味するerをつけることで「習慣的に行う人」ということになります。
つまりcustomerは特定の店での購買を習慣的(長期的)に行う人のことを表し、転じて「顧客」として使われています。スターバックスなどではお客さんのことを長期的に利用してくれることを意識してカスタマーと読んでいますね。
consumer(消費者/消費客)
consumer「消費者」はconsume + erで構成されている語です。consumeは「消費する」を意味し、consumerは「消費する人」ということになります。最近ではコンシューマー(コンスーマー)とカタカナ語としてそのまま使われる場面も散見されます。
customerと違い、consumerは瞬間的あるいは短期的な消費をする人を指し、スーパーやコンビニ、ドラッグストアなどに消耗品を買いに来るお客のことを指します。consumerの対義語はproducer「製作者、生産者」になります。puroduce「生産する」の派生語ですね。プロデューサーとカタカナでも馴染みがあると思います。ちなみにdirector「監督、指導者」はdirect「指示する、指し示す」から派生した語です。
client(依頼人)
日本語でもクライアントとカタカナ語になっていますね。client「依頼人」は弁護士や医師、銀行などの技術的なサービスを受けるお客に対して使われます。こちらはラテン語で「顧客、追随者」を意味するのcliens(クリエンス)から派生した語だそうです。
guest(招待客)
ゲストという日本語からも想像しやすいと思いますが、パーティや式典などにhost「主催者」から招かれた客のことを指します。ホテルの宿泊客やテレビ番組などで呼ばれた人のこともゲストと呼びますね。ディズニーランドでは従業員はキャスト、来園者はゲストと呼ばれます。
一応語源を調べてみたのですが、ゲルマン系の古語が由来になっているらしく言語学に明るく無い私にはよくわかりませんでした。しかしnoteでこの由来を説明してくださっている記事ありましたので引用させいただきます。気になる方は是非そちらを参照してみて下さい。
visitor(訪問客)
こちらはguestと違い、お客側の目的によってある場所や人を訪れた人を指します。観光や商用、私用など特に目的の内容は問いません。visit+orなのでわかりやすいですね。また類義語として「短期間の訪問者」のことはcaller(call + er)とも表現します。
「~する人」という語に変化させる際にたいていの語は-erを用いると思います。上記のcustomerやconsumerなどのことです。しかしvisitorやdoctorは同じ「~する人」という意味でも-orがついています。この違いはそれぞれの語が何語由来なのかと、どの様に英語として入ってきたかということが関係している様ですが、私が理解するには難解でしたので割愛させていただきます。
参考までにこちらの「-erと-orの違い」というQ&Aサイトにて詳しい解説をされている方がいましたのでリンクを貼っておきます。ただし回答者の方がどの様な方か分かりかねますのであくまで参考までに。
passenger(乗客、船客、搭乗客)
passengerは乗り物の利用客のことを指します。語源は古フランス語のpassagier(通行する人)からだそうです。ちなみにイギリスの口語では「お荷物、足手まとい」という意味もあるそうです。限定的なのでこの意味で見かけるのはイギリスのドラマや映画ぐらいだと思いますが......笑
audience(聴衆、観客)
オーディエンスとカタカナ語でも使われていますね。オーディオという部分があることからも「音」に関係することがわかると思います。語源がラテン語の「聞くこと、注意すること」から「聴く」ことに重きをおいて集まったお客に対して使われます。主にスピーチやコンサート、劇、映画などに対して使われる様です。
また、audienceに対して「多くの」「少ない」と付けたい場合はlarge/smallを使います。これは群衆を数ではなく規模で考えるため、大きい、小さいという表現が用いられます。
spectator(観客、見物人)
上記のaudienceに対して、「観る」ことに重きを置いて集まったお客に対して使われます。最初に含まれるspectは「観る」ことを表す語幹で、これを含む語としてrespect(尊敬する), aspect(様相、表情、見地), spectacular(壮観な、目覚ましい)など「観る」ことでわかることを意味する語が多いです。主にスポーツやショー、イベントなどの見物人に対して使われる様です。
ちなみに火事場や事件現場に集まる野次馬や傍観者という意味での見物人はlooker-on(複数形はlookers-on)を用います。その場に通りかかった人、通行人という場合はpasser-by(複数形はpassers-by)を使います。
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以上の様に、その語がどういう意味を持った語から派生したのか、あるいは語幹を持っているのかということを理解して覚えておけば何故英語では「お客」という語が使い分けられているのかがお分かりいただけると思います。
それぞれ日本語訳も使い分けられているので、英語だけが使い分けているわけではないんですがね笑
Q1. The theater in London normally has a bar where the ( ) can enjoy drinks during the intervals.
1. passengers 2. passers
3. lookers-on 4. audience
Q.2 The soccer game was shown on the big screen in front of ( ) audience.
1. a large 2. a lot of
3. many 4. much
Q3. The people who watch a sporting event without taking part are called ( ).
1. client 2. customer
3. guests 4. spectators
Q4. The Star Supermarket was very successful this year because it was so popular among its ( ).
1. guests 2. customers
3. audience 4. visitors
Q5. Someone being served in a shop is called ( ).
1. an employee 2. a customer
3. an assistant 4. a guest
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まとめ
今回は様々な「お客」にまつわる語を紹介しました。
最後にまとめておきます。
customer:定期的に商品を購入する「顧客」
consumer :スーパーなどで消耗品を買いに来る「消費者」
client :弁護士などの専門的なサービスを受ける「依頼者」
guest:主催者から招かれた「招待客」、「(ホテルなどの)宿泊客」
visitor:目的を持って場所や人を訪ねてきた「訪問客」
caller:短期間だけ訪れる「訪問客」
passenger:乗り物などを利用する「乗客」
audience:スピーチやコンサート、映画などを聴きにきた「聴衆」
spectator:スポーツやイベントを観に来た「観客」
looker-on:火事場などに野次馬にきた「見物人」
passer-by:通りかかった「通行人」
用途によって色々な表現の仕方がありますので、語源などもセットで是非覚えてみて下さい!
解答
Q1. 4
Q2. 1
Q3. 4
Q4. 2
Q5. 2
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