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BEST METAL ALBUM OF 2024

私がメタルを聴き始めたのが今年の夏頃。その間ほぼメタルだけを聴き続け、フィジカルで購入したものの中から2024年リリースの個人的に最高の15枚を選びました。あれが入ってない等あると思いますが、フィジカルで購入したもの(できたもの)から選びました。ディスクレビュー済みのアルバムもあるのでそちらは過去のくっせェ台詞を載せたリンクを貼っておきます。ほとんどブラックメタルかデスメタルが中心ですが生温かい目で見てやってください…。


15.
Tzompantli
Beating the Drums of Ancestral Force

20 Back Spin

アメリカはカリフォルニア州の大所帯ドゥーム・デスメタル・バンドの2枚目。デスメタルを軸にしつつ、打楽器や民族楽器を取り入れ、先住民族による呪術や儀式をデスメタルに落とし込んだといった感じで、ありそうでなかった1枚。メロディックで聴きやすい曲も多数あり。バイキング/エピック/フォーク界隈のメタルの中では2024年リリース重要作の1枚に数えてもいいのではないでしょうか。


14.
Spectral Voice
Sparagmos

Dark Descent Records

Blood Incantationのメンバー3人にBlack CurseのVoの4人で構成されている、アメリカはコロラド州のドゥーム・デスメタル・バンドによる2ndアルバム。闇の奥底で瘴気を放し続けるような音の重圧、尺の長さ、呪術を唱えているようなコーラスにデスボイス、真っ暗な部屋で聴いていれば何か得体の知れないものでも寄ってくるんじゃないかと思ってしまいそう。この気持ち悪さ、重苦しさは今年聴いた中でも1番です。(褒め言葉)


13.
Antichrist Siege Machine
Vengeans of Eternal Fire

Profound Lore

12.
Crypt Sermon
The Stygian Rose

Dark Descent Records

USはペンシルヴァニアの5人組による3rdアルバム。ダークな世界観を基調としたエピック/ドゥーム・メタル。過去2作品も評価は高く、まだ3枚しか作品を出してないのにもかかわらず、彼らの確立されたバンド・サウンドは今後さらに評価されていくことになりそう。Candlemassからの影響とエピック色が濃いバンドですがこの敢えて古めかしさを上手く残している感じも良い。メタルの漢臭さ、カッコ良さを分かりやすく表現している1枚。過去2作品は廃盤で入手しづらくなっているので再発してほしい。


11.
Kanonenfieber
Die Urukatastrophe

Century Media Records

ドイツはバンベルク出身の覆面アーティスト、Noiseを中心とするブラッケンド・デスメタル・プロジェクトによる2ndアルバム。真正面から戦争の悲惨さ、残虐さをあえてドイツ語で訴え続けており、歌詞は第二次世界大戦で亡くなった兵士たちの手紙や文書に基づいて描かれている。気軽に聴ける作品ではないがこのご時世だからこそ、彼の音楽は生々しく現実を我々に突きつけてくる。戦争の犠牲者への鎮魂歌としても捧げられている今作は耳を決して背けられない1枚。


10.
Black Curse
Burning Celestial Poison

Sepulchral Voice Records

USはコロラド州のデスメタル・バンドによる2ndアルバム。Blood Incantation、Primitive Man、Spectral Voice、Vasaelethでも活動するメンバーで構成されており、コアなメタル・ファンからみればオールスターのようなバンド。腐敗臭が凄まじくドロドロにドス黒いプリミティヴかつウォーブラックなデスメタルを聴かせてくれる。この強烈なインパクトと美学の塊、やっぱりこういうオールドスクール・スタイルのバンドはめちゃくちゃカッコいい。


9.
Chat Pile
Cool World

The Flenser

8.
Undeath
More Insane

Prosthetic Records

7.
200 Stab Wounds
Manual Manic Procedures

Metal Blade Records

6.
In Vain
Solemn

Indie

ノルウェー出身のプログレッシヴ・ブラックメタル/デスメタル・バンドによる5thアルバム。金管楽器なんかも入ってたり、グロウルで牙を剥くだけではなく、ポスト・ブラックメタルのような叙情的クリーンボイスがどこかノルウェーらしい暖かさをも感じさせてくれる1枚。ギターリフのフックもしっかり胸を鷲掴みにしてくれる。個人的に#3 Season of Unrestは必聴。


5.
Gatecreeper
Dark Superstition

Nuclear Blast

結局こういう分かりやすさ、いかに聴く者の鼓膜に足跡を残せるかっていうのを証明してみせたアメリカはアリゾナ州の5人組デスメタル・バンドのRelapseからNuclear Blastへ移籍して発表した3rdアルバム。メロディック・デスメタルのお手本のような王道路線であるとともに前作からの進化/変化も見せつけてくれたアメリカから北欧メロデスへの回答。キャッチーさと無駄の無い、良い引き算を見せつけてくれる一枚。


4.
Spectral Wound
Songs Of Blood & Mire

Profound Lore

カナダはモントリオール州ケベック出身の5人組ブラックメタル・バンドによる4thアルバム。ブラックメタルとしてしっかりとしたコープスペイントに身を包みながら曲はこの手のジャンルにしてはかなり音も良くてメロディックで聴きやすく、ダークな世界観に安定したドラムのブラストビートと刃物のようなギタートレモロの嵐がストレートながらカッコいい。彼らのスタイルにはどこかパンク的な精神も感じられる。カナダというメタルの聖地からは離れているバンドではあるものの、引けは全くとらない1枚。


3.
Gaerea
Coma

Season of Mist

ポルトガルの覆面5人組ブラックメタル・バンドによる4thアルバム。ブラックメタルでありながら宗教、悪魔崇拝などではなく感情の浄化によって導かれたブラックメタルとのこと。ギターの美しい旋律の"静"とそれを冒す"動"の破壊衝動はまさにカタルシスを音で具現化したようでポスト・ブラックメタルにも繋がっているようなサウンド。現時点でメタル誌やレビューサイトの年間ベストにあまり見かけないのが不思議なくらいでバンドを新たなステージへ押し上げた傑作。


2.
Knocked Loose
You Wan't Go Before You're Supposed To

Pure Noise Records

アメリカはケンタッキー州の5人組ハードコア・バンドによる3rdアルバム。いわゆるメタルコア/デスコアでこの手のジャンルはあまり多くは聴かないけど、この作品は27分という短い尺と、ほんの僅かにポップさを残しているので何回でも聴けてしまう。#3 Suffocateはポップスとメタルの橋渡しをしている女性プロデューサーPoppyをゲストに迎えてこの作品に華を与えていたり、こういう音楽性にありがちな繰り返し同じ曲に聴こえてしまうということも感じさせない。中でも#9 The Calm That Keeps You Awakeが個人的ベストトラック。


1.
Blood Incantation
Absolute Elsewhere

Century Media Records

アメリカはコロラド州の4人組による3rdアルバム。長編のたった2曲でありながらデス、スラッシュ、プログレッシヴ、サイケ、アンビエントをあっという間に通過して宇宙の果てまで連れて行ってくれます。Blood Incantation関連のリリースが3つランキングに入ってしまいましたが、精力的な活動と常に進化し続けることが難しいエクストリーム・ミュージックにおいて常に変化を恐れず求め、リスナーを満足させることのできる数少ないバンドのひとつです。メタラーだけではなく、全ての音楽好きが聴いて打ちひしがれるべき1枚。


以上になります。来年も良いメタル・ライフを🤘

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