チェックリストを使って、よりクリエイティブな自分に
『アナタはなぜチェックリストを使わないのか?』
これは素晴らしい本なので、非常にオススメしたいです。
チェックリストを導入しないと大変なことになると思わせてくれました。
実際の現場でチェックリストがどのように導入され、どれくらいの効果があったか。
それが、医療・建設・航空の分野に渡って展開されています。
内容も深く丁寧に書かれており、非常に分かりやすいです。
どの分野も安全性が求められ、絶対にミスが許されません。
その上、1分1秒の緊急性も求められます。
そんな中、チェックリストなんて煩雑でチープなものを使う必要があるのか?
そんな疑問を一つ一つ丁寧に紐解いていく。そして、どの分野でも大成功します。
しかも、驚くべきほどの効果で。
この本はチェックリストをどう作るべきか、という話題にも触れています。
しかし、ほとんどの割合が実地でどういう意味で使用され、どのような問題があるかに焦点が当てています。
なので、この本を読めばすぐにでも最高のチェックリストが作れるわけではありません。
けれど、この本を読んだからには最高のチェックリストを作らなければまずいという信念を抱かせてくれます。
それ程に強烈な本でした。
ちなみに、チェックリスト自体は所謂チェックリストです。
単純に、一度やった事をマニュアル化するために必要最低限の内容をチェックリスト化し、それをきちんと確認しましょう、という事です。
これが如何に大事なのかを様々な観点で確認していく、かつ、各分野でどの程度の効果があるのかを語っている作品になります。
また、単純なノウハウ本ではなく、文章が物凄くうまいです。
その上、ユーモアのセンスが半端じゃないほど高い。
なので、普通の読み物として見ても非常に面白いです。
最後に、この本を読んでいて腹を抱えて笑ってしまった場面を引用します。
なお、この本は9章で構成されており、213/223に渡って「チェックリストが如何に素晴らしいか」を訥々と語っています。
そして、9章の始まり。
著者自身が作成したチェックリストを自分のプロジェクトに適用する場面です。
『別に”私に”チェックリストが必要だとは思っていなかった。
自分で言い出しておいて使わないのも偽善者と思われそうで
いやだったし、世界各地で試用が始まるのに、自分が使わないわけにはいかなかった。
だが、もし私が縛り上げられ、本当のことを言わないと麻酔なしで盲腸をえぐりだすぞ、
と脅されていたとしよう。
正直に白状すると、”チェックリストなんて意味がないと思っていた”。
“他の人ならともかく、私の手術に”そんなもの必要なわけないじゃないかと”。』
ただその後、酷く辛酸な事件が起こりチェックリストに救われ、考えを改め、筆者自身もチェックリストを作成するようになります。
チェックリストは有用です。けれど、
『優秀な人はチェックリストなんか使わない、という思い込み』がそれを邪魔します。
しかし、優秀な人だからこそチェックリストで管理できることは、それに任せ、もっとクリエイティブな事に考えを据える必要があります。
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