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夢のまにまに
これは、私が中学生の時の話です。
私は片田舎の中学校に通っていました。その学校では、地域の老人施設で中学生が行き、そこに入所しているお年寄りと触れ合ったり、お手伝いしたりしながら地域の人と関わる地域学習なるものがありました。
私は、おじいちゃんこ、おばあちゃんこだったので、地域のお年寄りとお話するのをとても楽しみにしていました。
ですが、それは叶いませんでした。
新型コロナが私たちから、その機会を奪ったのです。
とても楽しみにしていたので、とても悲しかったです。
ですが、仕方のないことだということも理解できました。お年寄りが新型コロナに感染してしまえば、重症化しやすいということも知っていたからです。
その時、私は考えました。「今、私にできることは何だろう?」と。
そして、ひとつの結論に至りました。
老人ホームのお年寄りに手紙を書こうと思い至りました。
私は、そのことをクラスメイトの前で提案しました。クラスメイトは賛同してくれました。
早速、クラス全員で一枚一枚丁寧に手紙を書きました。直接会ってお話できなくて悲しかったこと。最近あった嬉しかったこと。新型コロナが落ち着いたら一緒にやりたいこと。書ききれないほど、たくさん書きました。
すると、1ヶ月後老人ホームのお年寄りからお礼の手紙が送られてきました。
その手紙の中に、
「新型コロナで不安で心が暗くなっていたけど、手紙を読んで心が明るくなりました。ありがとう。」
と書いてありました。
私たちが書いた手紙がお年寄りの心を少しでも明るくできたんだと、とても嬉しかったです。
お礼の手紙を一緒に読んでいたクラスメイトの一人が私にこう言ってくれました。
「地域学習がなくなって悲しかったけど、手紙の交流だけでも出来て良かった。ありがとう。」
その言葉を聞いて、手紙を書いて本当に良かったと思いました。