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ほんとにあった怖い話〜『異界へ続くエレベーター』〜

マンションのエレベーターは異界へと繋がっていた。
実際に私が体験した不思議な体験を書きました。
もし、この記事を読み、私のこの体験が何だったのか分かる方は私に教えてほしい。

これは、私が今年の夏に体験した話です。

私が住んでいるのは、とある地方都市に建つ5階建てのマンションです。そのマンションにはエレベーターが1機あり、今年の春、私は最上階である5階の部屋に引っ越してきたばかりでした。

ある夏の日の夕方のことでした。私は郵便受けに届いている自分宛の郵便物がないか確認する為、5階からエレベーターに乗り1階ボタンを押しました。

しかし、エレベーターは動きません。私は、もう一度1階ボタンを押しましたが、全部の階数のボタンが点灯しました。

私は、エレベーターが故障したのかなと思いました。
しかし、次の瞬間、エレベーターは上へと上昇し始めたのです。

でも、おかしいのです。マンションには屋上などないし、まして5階の上には部屋もなく、エレベーターが上へ上昇するなど有り得ないのです。

私は、不思議に思いながらも好奇心が勝って、そのまま上昇するエレベーターに乗り続けてしまいました。

しかし、エレベーターが有るはずもない6階で停まり、エレベーターの扉がスーッと開いた時、私は、鳥肌が立つのを感じました。なぜなら、扉の外は真っ暗で、明らかに異質だった為、言い知れぬ恐怖を感じたからです。

私は、すぐにエレベーターの1階ボタンを押しました。すると、エレベーターは何事も無かったように下降し始めました。

ほっとした私は、何気なく後ろに気配を感じ、振り返りました。

すると、そこには、いつの間にか知らない女の人がエレベーターに一緒に乗っていたのです。

私は、すぐに、その女が、この世の者ではないと思いました。

私は、女と目を合わせないようにエレベーターの表示板を見ながら1階につくのを待ちました。

しかし、エレベーターは1階についても下降し続けたのです。
しかし、そのマンションに地下などありません。

有りもしないはずの地下へと下降を続けたエレベーターは突然停まり、扉が開きました。扉の外へ出てみると、そこは大きな駅の構内のような場所でした。

だだっぴろい地下と思われる駅は異様に天井が高く、人が行き交い、奥には受付と思しきコーナーがあり、駅員のような制服を着た人たちが電話をしたりして忙しなく働いていました。ワンフロア上には大手カフェ店などがあり、吹き抜けの通路もありました。

私は、恐怖よりも怒りが勝り、奥の受付と思しき場所まで行き、駅員と思しき人に「マンションのエレベータに乗っていたら、いきなり、こんな場所に来てしまった。ここは、どこだ?」と詰め寄りました。

すると、その駅員は少し苦笑いしながら信じられない事を口にしたのです。

「あぁ、ここには、よく、そういう方が迷い込んでこられるんですよ。乗ってきたエレベーターに乗れば、元の場所に戻れますから」と駅員は言いました。

私は、耳を疑いました。なぜなら、駅員は、このような状況に慣れきっているような言動をしたからです。

私は、とても不気味に感じ、すぐに自分が乗ってきたエレベーターに乗り、1階を押しました。例の女はエレベーターから降りたのか、その時にはいませんでした。エレベーターは上昇を始め、1階で停まり、扉が開きました。そこは、いつもの場所でした。

後日、私は、マンションの管理会社に事の経緯を詳しく話しました。当然、管理会社からも、「当該マンションには屋上も地下室もありません。駅に繋がっているということも有り得ません」とキッパリと言われました。

ここからは私の推測なんですが、あの存在しないはずの6階は、この世ではない異界で、存在しないはずの地下の駅は異界にある駅なのではないかなと思っています。そして、あの女は、きっと異界の住人だったのだろうと今となっては思います。

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