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ハムスターのてぷ子

ハムスターを飼い始めた。
ハムスターを飼うことはとてもよいことなので、飼い始めるに至った理由とか動機とかは特に書くまでもないから割愛する。

命名にしばらく悩んだ。

電力会社に勤めてる人に何にしようか聞いてみたところ、TEPC●とかいいんじゃないのなどと言われた。見上げた愛社精神である。
君の会社はいつになったら原発を動かすんだね。電気代は上がる一方で、再エネ賦課金などという信じがたい名目でまで料金を取るじゃないか。下っ端が不祥事起こして偉い人が痛恨極めてる場合じゃないよ。

彼らの日々の努力は認めているけど、この調子だと世界に誇るドデカ原発も0kwh/年のまま新年を迎えちゃうんじゃないの。
回し車にコイルと磁石を取り付けたら、少し走れば発電量は原子力発電所<うちのハムスターと言って差し支えないよね。そしたらなんともいい気分である。

そういうわけで「てぷ子」と命名した。

てぷ子は、それはもう走っている。心配になるくらい。夜なんかもう狂騒的に、一心不乱に走り続けている。
走るのと食べるのと寝るのしかしていない。仕事とか人付き合いとか勉強とか一切していない。なのに私より一生懸命に生きてる感じがする。
てぷ子の爪は小さいけれど、TEPC●の社員に煎じて飲ませてあげればきっと発電効率が上がって電気代も下がるに違いない。

昼とか夜とか関係ない

ケージ内に見守りカメラを設置して24時間いつでもどこでもスマホから様子を見れるようにした。録画もできてしまう。
ああ、仕事の集中が切れた。うへえ、満員電車ですし詰め…。え?それって先方の指示漏れですよね?
そんなときはてぷ子の走りを見よう。わあ、走ってる走ってる。元気だなあ。

映像を見続けていると徐々にスマホが熱を帯びていく。たぶん私の体温よりも高い。初めててぷ子を掌に載せたときに知った温もりとよく似ている。こんなに暖かいのか。こんなに軽いのか。こんなに震えているのか。

この瞬間を切り取ってみると、スマホが電気ではなくてぷ子から発せられるエネルギーで遠隔稼働しているような気さえしてくる。

う〜ん、生きてるってすごいなあ。

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