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すばらしき世界

役所広司が演じる三上正夫は幼少期に養護施設に預けられ、非行に走り、人生の大半を刑務所で過ごしてきた。 頭に血が上りやすく怒りっぽいが、真っ直ぐで優しい性格。困っている人を放っておけない。 手元は器用なくせに、生き方が本当に不器用なのよ。 一度道を外れてしまった者に世間の風当たりは強く、本人に更生の意志があったとしても雇ってもらえなかったり、支援をしてもらえなかったり、色眼鏡で見られたり、前科者には何とも嘆かわしい世界なのだ。 罪を犯した罰は刑務所の中ではなく、むしろ刑

    • 最近の悩み

      結婚前から関わりがあって、のちに家族を持った人との会話にズレを感じてしまう。 みんながみんなではないし、これは完全なる偏見ですが…。 "家族"という類似した意見を持ち合わせた者同士でコミュニティを作り上げている人は、その世界の中で面白いもの、刺さるもの、が爆裂に一体化していて、視野が狭くなっているように思う。 時間に追われて、他人の意見に興味を示さなくなり(示せなくなり、かな)、世間の声を聞くこともなければ見ることもない。流行や趣味に疎い。 視野が狭くなると何に対しても

      • 全裸監督

        全裸監督 シーズン1 イロモノと言ってしまえばそれまでだけど、私は立志伝が好きだから最後までウキウキで観れた。 村西とおる。あんな浮き沈みの激しい人生ってあるんだな。 山田孝之がいい。森田望智がいい。リリーフランキーと國村隼がかなりいい。マジで演技うますぎ。 前の日に"ぐるりのこと。"っていう映画で落ち着いた旦那役を演じるリリーフランキーを見てたから混乱した。 視覚的にはアダルトな映像ばかりだからキツい人にはキツいかもしれないけど、いやらしさがない。 いや、あるん

        • 一瞬のような

          2019年8月14日14時41分、母は死んだ。 それ以来、何をするにもふわふわと上の空で、宙に浮いているような感じ。 幸せを噛み締めることもなければ、不幸せだと感じることもない。 無だ。感情とかそんなものはとくにない。 わざわざ首を吊ろうなんてことはここ一年で思わなくなったけれど、今車に撥ねられて死んでもいいし、いつ何が起こったってどうでもいいのだ。 人はそんな悲しいこと言うな、と言うけれど。 父と離婚してから母は一人でサロンを立ち上げた。私が高校卒業したあたりか

          ( ◠‿◠ )

          どうしても忘れられないことがある。 それは母が昔お付き合いしていた方のお話。 二人は母が亡くなる何ヶ月も前に別れていた。 けれど別れた後も相手側が母に好意を抱いてくれていることを私は知っていた。 母がウザそうに、少し嬉しそうに「飲みに誘われた。ヒロちゃん(犬)が死んでから何もする気が起きなかったけど、たまには行ってみようかな。」と。 母の返信が遅かったために彼は帰宅してしまっていた。 その日はナシになった。 母の打った「じゃあ、また今度ね。」の"今度"は呆気なく絶たれ

          ( ◠‿◠ )

          人生一度きりの…

          私が生まれるよりもずっと前から母親と仲良くしていて、恋愛関係にあった男性がいる。 ちなみにその人は当時から既婚者で、母は世に言う愛人だった。 母が亡くなってからはとくに「ちゃんとご飯食べてるか?」「ガリガリになってないか?」とすごく気にかけてくれた。 母子家庭で父親がいなかった私を人に紹介する時には娘だと言ってくれるような男性だった。 「ここはよくお母さんと来てた場所だよ。」 「昔お母さんと来た時にこういうことがあってね、」 一緒に出掛ける時はほとんど母の話で持ち

          人生一度きりの…

          偲ぶ

          少し前、3年前まで付き合っていた人と話をした。 北海道と広島を行ったり来たり遊んでいた頃が無性に恋しくなることがある、と言うと向こうは口を開く前に泣き始めた。 昔から泣き虫なのだ。 変わっていないんだなぁ、と少し安心した。 電話口から申し訳なさで押し潰されそうなのが分かった。 こうやって二年間苦しんで生きてきたのだな、と思った。 それに比べて私はどうだ。変わり果てていた。 人への目はかなり厳しくなったし、平気で人を嫌うようになった。 誰に嫌われてもいいし、好かれ

          14歳の栞

          ずっと観たいな〜と思っていたけど、上映は終わっていて、円盤化の予定もなく、配信もしないということで、ダメ元で福山駅前シネマモードさんに頼んでみたら、まさかの反響で、1月14日から一週間限定で上映してくれることになった!(かなり前の話です。) 私が劇場にこの映画をリクエストしていなければ、この日、この時間、ここにいるお客さんは福山駅前シネマモードで、14歳の栞を観ることはなかったんだな〜と思うと、人の人生を動かしたようで、なんかちょっとゾクゾクした。 "とにかく瑞々しかった

          14歳の栞

          アスペルガー症候群というもの

          アスペルガー症候群 というもの。 今はそこらへんの発達障害をまとめて自閉スペクトラム症と言うらしい。 アンケート?テスト?をして50点中33点以上が病名を付けれる程の発達障害だと言われて、私は33点だった。 まあそうだろうな、とは思っていた。 「どれだけ元気な人でも10点前後は取るものだから人より少し生きづらさを感じてるってだけで、あまり気にする必要はないよ」と言われたけれど、一度聞いたものは簡単に忘れられない。 症状の現れ方は人それぞれで様々なタイプがあるらしい。 ・一人

          アスペルガー症候群というもの

          キングオブコント

          M-1は初回から全てチェックしているけど、キングオブコント は今まで真剣に見たことがなくて、正直バカにしていた部分があった。 今回、空気階段のネタで衝撃を受けたし、2021年が伝説の回だと言われている理由は何なのか、本当なのか、を確かめるために2008年〜2021年のキングオブコント、全てを見た。 その中でコントベスト3を選ぶ。 🥉キングオブコメディ「誘拐犯と子供」2010年 お笑いの歴史が長くなるにつれて"この発想はなかった"とか"斬新な笑いの取り方"とか、時代や流行りに

          キングオブコント

          Dr.コトー診療所

          「Boys, be ambitious.」 お金のためではなく、私欲のためでもなく、名声という空虚な志のためでもなく、人はいかにあるべきか、その道を全うするために、大志を抱け。 Dr.コトー診療所を久しぶりに全話見た。 泣きっぱなしよ。まったく。毎話、号泣に近いほど泣いた。 コロナ前の生活でもお医者さんの仕事は大変だろうに。そんなことを考えながら小学生の頃とはまるで違う感覚で見た。 このパンデミック、コトー先生だったらどう対応していたかな。 コロナウイルスが流行り始めて、思

          Dr.コトー診療所

          経験値

          一年前から抗うつ剤と睡眠薬を飲んでいる。生きていられない気持ちが募るからだ。それまで処方された薬は全部捨てていたんだけど。死ぬことを考えると気持ち良すぎて涙が出る時期があって、いよいよヤバいのかも、と思って人に話してみたら、どうしても生きていてほしいと言われて踏み留まった。仕方なく薬を飲み始めた。 けれど焦燥感に駆られて電車やバスには乗っていられないし、落ち着いて映画も観られない。副作用でパニック障害を起こしてしまうのだ。 昔はうつ病の人を見て、なんでそんな心弱いの?とか

          経験値

          し、しあわせ、?

          誰かと結婚して、恵まれれば子供が産まれて、、そういう人生。それがゴールなんだろうか。なんでみんなそこを目指すんだろうか。 家族連れを見て、人間らしいことしてるなぁ、とは思うけれど、幸せそうだなぁ、とはどうしても思えない。 私は世の中のあらゆることを無意味だと思ってしまうのだ。 例えば子供を産むよね。それからまあ一緒に居られるのはおおよそ40年くらい、かな。人はいつか必ず死ぬでしょ。死んだら意識なんてものはもちろん、記憶すらも消えてなくなる。じゃあその40年間って一体何だ

          し、しあわせ、?

          エレパレ

          遅ればせながら、エレパレを観ました。 なんというか、どこに行っても何歳になってもイタい連中はいて、我こそがヒエラルキーの頂点ぞ!と言わんばかりに仕切る奴、そいつにヘコヘコする奴、ただただ楽しいことがしたい奴、たまたま席が前後だった奴ら、ひょんなことから社会ではグループが作られて、そのグループ内でしか通用しないノリがあって、それを周りで羨ましがる奴や毛嫌いする奴、怯える奴。万国共通なんだなぁ、と思った。 グループ本人たちとクラスメイト、先輩や後輩、独り歩きしてどんどん大きく

          エレパレ