エンジニアに特化した転職媒体にいる求職者様の志向性を100人分調査してみた
「転職媒体に登録しているエンジニアは転職先に何を求めているのだろう?」
そういったご質問をよくいただきます。
そこで今回は、転職媒体に登録をしているエンジニアの志向を知るべく、「転職ドラフト」に登録している求職者様のデータを100名分調査しました。
なぜ転職ドラフトか?というと、
求職者様が登録時に選ぶ志向性の選択肢が非常に豊富だからです。
ちなみに、転職ドラフトを利用して採用活動をする際の詳細については、以前このようなブログを執筆しましたので宜しければご覧ください。
1. エンジニアの転職市場について
細かい話の前に、まずはエンジニアの転職市場全体のデータをみていきましょう。
こちらは転職ドラフトで公開されている「転職ドラフトにおける指名数の変化」です。
(出典:【完全保存版】ITエンジニア転職市場の変化と市場価値の高め方【2021年→2022年】)
ご覧いただいているように、2020年1月〜2021年12月のおよそ2年間だけでも指名数が倍以上増加しています。転職市場においてこれだけエンジニアが引っ張りだこであるということがわかります。
また、ここで忘れてはいけないのは、
上の図は転職ドラフトだけにおける数値だという点です。
媒体を限定せずにお伝えすると、エンジニアが1週間に受け取るスカウトの数は平均12通(※Stack Overflow調べ)とも言われています。
このような状況の中、どのように採用活動を進めれば良いのでしょうか。
年収をアップすればいいのか、やはり知名度がないと難しいのか。
転職市場において多くのデータがWeb上に点在していますが、実際のところエンジニアは転職先に何を求めているのかを知るため、自分達でも調査いたしました。
2. 調査詳細
転職ドラフト登録時に、求職者様はスキル面だけでなく、”志向性に関する”回答もいくつか求められます。その中でも今回は「会社を選ぶ一番の基準」と「好む文化」に絞ってお伝えしていきます。
3. 結果
3-1. 「会社を選ぶ一番の基準」
「会社を選ぶ一番の基準」という問いに対して求職者様が1つのみ選択した回答とその割合を調べたところ、下記のようなことがわかりました。
エンジニアはスキルやプロダクトをメインに転職先を考えているケースが多いのではと考えていましたが、「一緒に働く人」がダントツで一番だという結果に非常に驚きました。
また、転職市場でメインターゲットとなることが多い20〜30代の登録者様で比較すると下記の結果となりました。
一番右の数値は、
赤字:30代の方が高い数値
青字:20代の方が高い数値
それぞれ記載しています。
年代に分けたところ最も差が開いたのは「プライベートとの両立」でした。30代に入ってから家庭と仕事のバランスをとりたい方が増えることは納得です。
また、「一緒に働く人」は標準偏差が低い、つまり年代問わず重要視されていることもわかりました。
3-2. 「好む文化」
もう一つ調査したのが「好む文化」という質問項目です。こちらは複数選択することが可能です。2-1.「会社を選ぶ一番の基準」ほどではないものの、転職先を選ぶ際に重視する要素かと思います。
その結果は下記の通りです。(選択肢62個のうち上位10個のみ表記)
時代の流れから、リモートワークやフレックスタイムが好まれることは想像ができましたが、”社内勉強会”や”情報発信”など、積極的なアウトプットをしている文化を好んでいることは、非エンジニア目線でとても良い気づきでした。
さて、ここから考察に入ります。
この結果を採用ブランディングのフレームワークに当てはめて分類しました。
4. 考察
4-1. 採用ブランディング項目「6P+CGM+Tech」
まずは、採用ブランディングのフレームワークについてご紹介します。
エンジニア採用において企業の魅力は、「6P+CGM+Tech」で分類できると考えております。
それぞれの詳細は下記の通りです。
このフレームワークを元に、改めて調査結果をみていきましょう。
4-2. フレームワークに当てはめた結果
まず、項目の内容を6P+CGM+Techに分類しました。そこから「項目個数」「選択個数」「全体に対する割合」を算出し、割合が高い順に並べました。
👆「会社を選ぶ一番の基準」
👆「好む文化」
前述した「会社を選ぶ一番の基準」と「好む文化」は、求職者様が重要視している項目と言えます。ただ、一つ補足をしておくと「好む文化」は全項目で62個あり、且つ複数選択可能です(上限は無し)。そのため、求職者様の気分によって選択する個数が異なる可能性があります。
とは言いつつ、この2つの内容は貴重なデータであり、この結果を「掛け算」しました。その結果が下記です。
2つの質問の回答を統合すると、productが上位にあがりましたが、それでもやはり断トツで「person」を重要視していることがわかりました。
5. 結果から考えるべきこと
5-1. personについて
これほどpersonを最重要視しているという結果が出ているのであれば、「一緒に働く人」の詳細を求職者様へのメッセージに記載しないのは非常に勿体無いですよね。
転職ドラフトで用意されているpersonに分類される選択肢をピックアップしてみます。
上記項目に当てはまる点が貴社にあるのであれば、魅力として打ち出すべきですよね。
また、魅力を打ち出すべき先は、求人媒体やスカウトメールだけではないと思います。
社員インタビュー等の採用広報を通して、社員のキャリアや転職理由を公開することも良い方法だと考えています。
加えて「Personal Book」の作成をおすすめしています。
詳しくは上記のブログをご覧いただければと思いますが、簡単に説明すると、社員のパーソナル(性格 / 趣味 / 嗜好)な情報を集約したBookです。
これを作成してからカジュアル面談等で求職者様と趣味や嗜好の話ができるようになり、自然と距離を詰めることができるようになりました。
5-2. culture
次にcultureについても言及したいと思います。なぜならば、”personこそがcultureを創り出す”からです。
と考えています。だからこそ、personの魅力を訴求するためには、cultureを魅力として打ち出すことも欠かせません。
この辺りはよく見かける魅力の打ち出し方だと思いますが、これは魅力の打ち出し方が「person」だけに寄ってしまっていると感じます。もちろんこのままでも良いと思いますが、もう一歩前進させると、
このようになり、求職者様にとっても前者より魅力的に映るのではないでしょうか。
最後に
皆様いかがでしたでしょうか。
それでは改めて まとめです。
ぜひ今回の結果をもとに、求人票やスカウト文章の内容を見直していただき、「person」&「culture」の魅力を打ち出せているのかどうかを確認してみてください!