僕のくだらない妄想の行末
一閃の光が夜空を切り裂いた。一瞬の出来事だったので、僕は本当にその光を見たのか不安になった。いつ雪が降ってもおかしくないこの季節に、ほろ酔いで友人の家のベランダで、短パンTシャツ姿、しかも履いているのはサンダルでタバコを吸っている自分は、どう考えても普通じゃないし、信用できる人間だとは思えなかった。もっと光について考えを深める必要がある。
もし仮にだ…。あの大きな光は何かのテストで、見ている人が僕しかいなかったとしたら…。今、日本語で思考しているが、実は地球の言語が話せなくなっているとか、鏡を見ていないのでなんともだが、見た目がすごく変わっているとか。僕にとって影響の大きい異変が起こっているかもしれない。
そんな妄想をしながら友人の部屋に戻った。この話をしたらどんな反応をするだろう。
「光ったな。朝から雨だと面倒だな」
友人の心ない一言で、僕のくだらない妄想は、ただの天気の話に変わった。