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イチゴの栽培技術を学ぶ~『イチゴつくりの基礎と実際』
おはようございます。
私は、昨春50歳で脱サラして埼玉県農業大学校に入学、
今春無事卒業して新規就農し、さいたま市内でイチゴ栽培に挑戦します。
農業初心者の私は、本や文献を読み漁り、先生や先輩に教えを請い、
日々、イチゴの栽培技術習得に努めています。
そんな私のイチゴ栽培の学びを、ここで共有したいと思います。
今回は、私がイチゴ栽培技術について最初に読んだ本である『イチゴつくりの基礎と実際』を紹介します。
イチゴ栽培初心者向け
著者が序文で述べられていますが、この本はイチゴ栽培初心者向けです;
この本は、イチゴ栽培を始めようという農家<略>を対象に、できるかぎり早く「イチゴ屋」になるために、最低限知っておきたい栽培の基礎知識を説明することを目的としています。
「イチゴ屋」になるための知識が網羅的に書かれているので、初心者が自らの選択肢を準備するのに役立てることができます;
売り方:市場出荷、直売、イチゴ狩り
栽培方法:土耕栽培、高設栽培、
品種:一季成りと四季成りの違い、主な品種の紹介、
作型:超促成、促成、普通
イチゴの栽培技術についても初心者向けの基本的なことが書かれており、また、高設栽培ではなく土耕栽培がベースになっています。
イチゴの栽培技術について、私が重要だと感じたポイントを以下に取り上げて紹介します。
イチゴ栽培 勝利の方程式
まず、イチゴ栽培で収益を上げている農家を参考に、イチゴのよい収穫パターンを「休みなく開花し、出荷の波が小さい」と定義されています。
このよい収穫パターンを実現するための勝利の方程式として、以下の3点に着目しています;
育苗:花芽分化を制する
定植:定植適期を逃さない
収穫:休眠をコントロールする
まず、1. 育苗ですが、イチゴは花芽分化の時期で収穫開始時期が決まるため、花芽分化を制することが重要となります。
花芽分化を決定する条件は、低温・短日ですが、窒素中断によって促進することができるとされています。
次に、2. 定植ですが、定植時期によって一番花房と二番花房の収量が左右されます。定植時期が早すぎると、気温が高いため2番花房の花芽分化が遅れます。一方、定植時期が遅すぎると、気温が低くて生育は悪いのに、2番花房の花芽分化が促進され株が弱ってしまいます。
定植は日平均気温が25℃以下になった頃が適期であり、花房間葉数が四~五枚で二番花房が花芽分化するのが理想的とされています。
そして、3. 収穫ですが、ロゼット状態と休眠打破の両方を避けて半休眠の状態をつくることで、イチゴは連続して花芽分化と開花・果実肥大をさせることができます。そのためには、気温と日長の変化に合わせて保温・換気により休眠をコントロールしなければなりません;
9月下旬~10月下旬(暑秋):高温に注意し換気で温度を下げる
10月下旬~12月上旬(秋):ロゼット状にしないよう保温する
12月上旬~2月上旬(冬):生育を停滞させないよう保温・加温する
2月上旬~3月上旬(寒春):日中は換気する
3月上旬~(春):遮光などで昇温を防止する
イチゴ栽培 敗北の方程式
勝利の方程式に対して、敗北の方程式も紹介されています。
頂果房の着果数不足
二番果房の遅れ
まず、1. 頂果房の着果数不足ですが、これは即ちイチゴのスタミナ不足であり、下記の原因が考えられます;
・育苗後半の施肥不足
・定植直後の活着不良又は施肥設計ミス
次に、2. 二番果房の遅れですが、地温が高いことによる花芽分化の遅れが主な原因と考えられます。上述の「秋」の保温をあまり早く開始しないほうが良さそうです。
イチゴでは適期作業が決定的
イチゴ栽培における適期作業≒段取りが重要であり、栽培計画を立てて前倒しで作業・準備を進めるよう強調されています。
イチゴ栽培は、<略>、作業を適期にするかどうかが成功・失敗の分かれ道です。<略>
気温や日長の変化にあわせて作業をしなければ、失敗してしまうのです。
ゼネコン社員時代に上司・先輩から「段取り八分」とよく教えられていたのを思い出します。
イチゴ栽培の適期とは、単なる日付や時刻ではなく、気温や日長のことだと私は理解します。
なので、気温と日長を日々チェックし、毎週それを見直して次にやるべき作業を計画・準備しようと思います。
この記事が誰かの助けになれば嬉しいです。