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【体験談】50歳からの新規就農~公庫からお金を借りたい

おはようございます。

私は、昨春に脱サラし、今年4月に51歳で認定新規就農者となりました。
国の制度を鑑みると、50歳以上で新規就農を目指すのは、あまり賢い選択ではありません。
そんな賢くない選択をした私の就農までの道のりを書いています。

前回は、私がどのようにして認定新規就農者になったかを書きました。
今回は、私が日本政策金融公庫(以下、公庫)の青年等就農資金を獲得するまでのプロセスを書いていきます。

青年等就農資金で実際いくらまで借りられる?

公庫ホームページの青年等就農資金の概要に、「ご融資条件」が記載されています。ただ、ここに書かれている融資条件は「限度額」や「原則」なので、実際はこの通りにはなりません。
私の場合、融資限度額と返済期間及び据置期間が希望通りとはなりませんでした;

  • 返済期間 HP:17年以内・据置期間5年以内 ⇒ 実際:15年・据置期間3年

  • 融資限度額 HP:3700万円 ⇒ 実際:2500万円

それでも、無利子でこれだけの好条件の融資は他には見当たりません。
初期投資がある程度必要な新規就農者であれば、必ず獲得すべき融資だと思います。

公庫の審査は厳しいのか?

まず、青年等就農資金の対象者は認定新規就農者に限定されています。
実際、さいたま市役所から青年等就農計画認定書を受理してからでないと、公庫の正式な手続きは開始できませんでした。
ただ、認定新規就農者でさえあれば、私のような50歳以上でもOKです。

次に、公庫の審査ポイントは、公庫曰く技術・販路・資金の3点とのこと。
私は、それぞれについて以下の通りに対応しました;

【技術】
農業大学校とイチゴ先進農家での研修で基本技術を学んだことをアピール
【販路】
公庫から「販売先候補に打診又は打合せしておくように」とのアドバイス
→さいたま市役所からの紹介で仲卸業者と打合せ、販売可能性を確認
⇒仲卸業者への販売と直売を想定した事業計画を作成・説明
【資金】
①農業大学校の先輩から「お金ありますアピールをするよう」アドバイス
→公庫から銀行口座の残高証明を提出するよう求めらたのに対し、
 銀行口座だけでなく証券口座の残高も提出して「お金あります」アピール
②収支計画で十分な返済能力を持った事業であることを説明
→公庫から収量と単価の想定が現実的かを問われる
⇒収量と単価の根拠資料を客観的事実やデータをもとに作成・説明

これまで、公庫の審査を特段に厳しいと感じることはありませんでした。
公庫からのアドバイスや質問に対して、出来る限りの対応をすることが肝要かと思います。

青年等就農資金は公庫だけでは決まらない😲

青年等就農資金は公庫の融資ですが、公庫だけでは決まりません。
農林振興センター及び市役所の審議・認定が必要となります。
このフロー(「スーパーL資金(農業経営基盤強化資金)、青年等就農資金のお借り入れ手順例」)における「都道府県」が農林振興センター、「推進会議」が市役所、を各々意味します。

私は、現在、上記手順の「④推進会議の認定」を待っている状態です。
因みに、これまでの経緯を時系列で並べると以下の通りです;

12月下旬 ①電話で公庫に相談、所要書類の提出書式の送付を公庫に依頼
  1月16日 公庫に所要書類をメールで提出
  1月25日 公庫事務所で打合せ、手続きの流れや審査ポイント等の情報入手
  4月  1日 認定新規就農者になる
  4月  2日 ②公庫に借入申込希望書をメールで正式提出
  4月  5日 公庫・農林振興センター・さいたま市農政課と打合せ、現地見学
  4月12日 ②公庫に所要書類をメールで再提出
  5月  2日 ③公庫から農林振興センターに意見書提出を書面で依頼
  5月21日 農林振興センターから公庫へ意見書提出
  5月22日 公庫からさいたま市農政課に意見書提出を依頼 

「書類提出から貸付決定まで30日間」って本当??

上記フローには書類提出(手順①)から貸付決定(手順⑥)まで「30日間」との目安が示されています。
私が公庫と1月に打合せした際も、「スムーズに進めば5月末に貸付決定も可能」との話でした。
しかし、実際には既に「30日間」はとっくに過ぎていますが、貸付決定には至っていません😢

公庫の手続きをスムーズにするための対策を、自らの反省も踏まえ、私なりに考えてみました;

一、毎週、公庫担当者に進捗状況チェック&催促する
これは自分自分にも公庫担当者にもストレスだと思います。
だけど、私の体験として「待っていてはダメ」なことは明白です。
嫌でしょうが、敢えて「ウルさい客」になりましょう。

二、農林振興センター及び市役所からの意見書提出期限を設定する
私の場合、農林振興センターの対応が遅く約3週間も費やしました。
こうしたノロノロ役人を動かすには、期限を切って催促すべきです。
公庫に依頼して、公庫からの意見書提出依頼の書面に提出期限を明記するようお願いしましょう。

三、手続きのキーパーソンを事前に把握する
私の場合、この手続きに関わるキーパーソンは以下の方々でしたが、農林振興センターや市役所については手続きが進むにつれて分かってきました;
・公庫の担当者及びその上司
・さいたま農林振興センターの管理部:新規就農担当とは異なる
・さいたま市役所農政課の融資担当:新規就農担当とは異なる
できれば、公庫に彼らを招集した打合せを事前に開くことを提案・依頼しましょう。彼らの疑問点などを事前に把握・解消できるだけでなく、「顔見知り」になることで自ずと手続きが促進されることが期待できます。

四、必要ならば公庫の担当者を代えてもらう
私は、公庫の担当者には外れてもらい、その上司と直接やり取りさせてもらうようにしました。その後、随分とスムーズに進むようになってきたことを実感しています。
貴方の公庫担当者がひたすら自己防衛や言い逃れをするような人なら、早めに交代をお願いすることをおススメします。
公庫には貴方に「寄り添い」支えようとしてくれる職員がいるはずなので。

青年等就農資金について長々と書きましたが、
まだ公庫からお金は借りられていません😢
来週はもう少し進捗していることを切に願っていますし、
進捗があれば続報を届けたいと思います。

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