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10月29日 『Q児達の集合』開催によせて

2024年10月29日、throwcurveは下北沢CLUB Queにてイベントをやります。
ここでは、このイベントの開催に至った思いや、イベントでやりたいことについて書きます。

今回のタイトルを聞いて、何人かの方はピンとくるものがあったかもしれない。

これは2005年9月21日、throwcurveがCLUB Queで初めての単独公演を開催した際のイベントタイトル『Q児達のダイヤモンド』にちなんでいる。

当時どんな思いから、このタイトル命名に至ったかは正直あんまり覚えていない。タイミングとしては2nd mini album『ニューワールド ハートビート』のリリースを翌月に控えた時期。とはいえそのレコ発というわけでもなく、収録曲からの引用でもなかった。
とりあえずライヴではMr.Childrenの『雨のち晴れ』のカバーをやったことと、打ち上げに参加した仲間が全員(メンバー含め)終電で帰ってしまい、ひとり寂しく下北沢の「ぶーふーうー」で始発を待ったことだけ克明に記憶している。

ただ何より、あの頃の自分たちは「下北沢CLUB Queでワンマンをやる」こと自体が、まぎれもなくターニングポイントだった。

駆け出しの頃から下北沢のライヴハウスで切磋琢磨し、悲喜こもごもを味わってきたバンドマンにとって、Queのステージはまさにひとつの「聖地」。
時代に刻まれるべきライヴがいくつもその空間で行われてきたこと。憧れのバンドがインディーズ時代に悉くそのステージを踏んでいったこと。そういった情報は、それこそ上京する前からロック雑誌などを通じて知っていた。
またQueといえば、そんな先人のロックミュージシャン達が、巣立ったあともふらっと帰ってきてはステージに立ち続けている場所。だから決して大きくないキャパでありながら、常に最前線の空気が滞留しているような匂いが立ち込めていた。それは昔も今も変わらない。

そんなライヴハウスを単独で埋めることは、数多のバンドが密かな目標として掲げながら活動していたと思う。だからいよいよその局面を迎えた時には、ひとつのステージをクリアし、やっと次のフィールドへの鍵を手にするような高揚感があった。
とはいえ、いざそれが実現に至ったからといって、すぐさま「これで俺も先人たちと肩を並べた!今日からロックレジェンドの仲間入りだぜ!」なんていう気分になれるわけでもない。
なんとなく当時、ろくにパッとしないままQueをうろちょろしていた若造である自分を顧みたとき、抜けきらない青二才さへの自戒と「なんか訳わかんないことやってやるぜ!」という密かな反骨精神がこもった『Q児』という言葉を思いつき、なんだかようやくしっくりきた。そんな感じではなかったかなと思う(あの頃、自分たちも含め新人バンドが『松坂世代』という当時のトレンドワードで安直に一括りにされたことに対して、若干のアイロニーも込めていたかも)。

そして、あれから19年が経過した。その間を思い返してみると、自分は折につけて、さまざまなかたちでQueのステージに立たせていただいた。
決して出演回数が多いわけではないが、一風変わった企画、変な仮装、覆面バンド、一夜限りのユニット・・・なかなかに濃い時間をQueで過ごしてきたと思う。打ち上げの思い出まで加えたらよりいっそうだ。
それでもなお「あ〜自分もすっかりQueファミリーになっちゃったなあ〜」なんて大それた気持ちには、結局なれなかった気がする。

throwcurveのワンマンがあったのはQue11周年のタイミングで、そんなQueが今年30周年を迎える。つまり今となっては遠目で憧れていた時間より、実際に出入りしていた時間の方が倍くらい長くなっているわけだが、それでも未だにメンタリティは「Q児」のままだ。40を過ぎ、すっかり弛緩した気持ちで音楽をやってしまってる自分でも、会場に一歩立ち入るとなんとなく背筋が伸びてしまう。そんな数少ないハコのひとつが下北沢CLUB Queなのだ。


この春からバンドが再び動き出し、わりと思いがけない流れで6月にQueでの対バンイベントに出演した。
ただthrowcurveとして出るとなると、ことさら自分の中に「Q児」気分が蘇ってきた。まして13年のブランクがあるわけで、気負いがなかったかと言えば嘘になる。結果、「Qおじ」くらいの余裕を見せたいつもりではあったが、相変わらずのQ児っぷり全開なステージだった気もする。
それでもイベント後すぐ、Que側から「これからもまたthrowcurveに出演してほしい!」と熱くお声がけをいただいた。これが結構意外だったし、嬉しかった。

そんな流れがあって、その後いくらかのやりとりと紆余曲折を経つつ、CLUB Queと共同で立ち上げたのが今回の『Q児達の集合』というイベントです。


ちょうど1年前に開催したトークイベント『スロウカーヴは語れない』の中でも、話題は「あの頃の下北沢」が中心になった。throwcurveに関して言えば、なんやかんや下北沢という街や、そこになんとなく形成されていたシーン的なものに依存していた時期がそれなりにあって、あるタイミングから意図的にそこから離れようと試みた時期もあったりして、ありきたりに表現するなら「愛憎入り乱れる」というのが率直な気持ちだ。
ただ今回再始動してみて、「下北沢に置いてきたものを拾いに行く」みたいな感覚が意外と自分の中に湧いてきている。それは今の下北があまりにも様変わりしたからかもしれないし、あの頃自分たちが培ってきた“下北くささ”みたいな部分と、ようやく向き合える余裕ができたからかもしれない。
『Q児達の集合』は、そんな気分を反映したイベントにできればと思っている。

と言っても、別に懐古っぽいライヴをするとか「○年◯月○日のセトリ完全再現!」とかそういう類のことではない。throwcurveのステージに関しては(未だに悩んでるところもあるのだが)、ここまでに書いてきたようなマインドを反映しつつ、単純に3ヶ月ぶりだったりするので、バンドの現状報告的な内容にできたらと思っている。

そして、ゲストに出演していただく。
Analogfishの佐々木健太郎くんだ。
このタイミングでライヴハウスで再会できること、とても嬉しい。
ただ、throwcurveとAnalogfishの接点については意外とピンとこない人もおられるかもしれない。同時期に近いエリアで活動していたのだが、実は東京で共演した機会はほぼなかったのでは?と思われる(関西のイベントで対バンすることがなぜか多かった)。
そして個人的な健太郎くんとの記憶は、もっぱら夜の下北沢に偏っている。笑
同じ長野県出身という共通点もあって(当時長野出身のバンドマンがなかなか東京で見つからなかった)、ベロベロに酔いながら明け方を待ったしょうもない思い出ばかり蘇ってくるのだが、そんなことも踏まえ、今回お招きできるのは感慨深い。
健太郎くんの歌に圧倒される覚悟はできているのだが、自分も負けないよう準備したい。そして、久々に会ってどんなことを語り合えるか、今から楽しみだ。

さらにオープニングアクトとして「ナカムラリョウと友人」というアーティストが予定されている。誰だこれは。私だ。
一応断っておくと「ナカムラリョウと友人(ともひと)」のデュオではないです。

この枠はちょっと長めの前説という感じで、まあゆっくりと場を温められればと考えている。アコースティックライヴになるのか、漫談になるのか、FX投資セミナーになるのか、目下考え中なのでひとつ当日のお楽しみにしてもらいたい。
ただ先ほど書いたこととも重複するが、昨年の『スロウカーヴは語れない』から丸1年が経過したタイミングということもあって、あれから何がどうなって今に至ったか、といったことを改めて報告する時間はほしかった。で、それはライヴ本編とは切り離した方が良いだろうということで、この枠を使ってそんなお喋りにも時間を割こうと思う(このような身勝手を許容してくれたCLUB Queには感謝申し上げたい)。

ちなみに「友人」枠については、週明けに発表させていただく。
下北沢について語り出したら長くなりそうな相手だ。


ということで、思いのほか冗長な文章になってしまったが、、、
そんなこんなであと3週間ほどに迫ったイベントに向けて動いている最中だ。

今回、ド平日の開催ということもあってお客様には申し訳ない思いもあるのだが、あえて週末の祝祭感とは一線を画した、平日の夜ならではの空気感も追究したいと考えているところがある。
仕事や学校終わりの“日常”と地続きで、なおかつイベントが終わったあとにまたやってくる“日常”がちょっと違った気分で受け入れられるような、そんな時間を皆様にお届けできたら成功かなと考えている。
スタート時間も極力遅めに設定したので、せわしない毎日の中ではあると思いますが、ほんの数時間の気分転換になっていただければ幸いです。

チケットは現在、CLUB Que店頭とLivePocket、イープラスにて発売中。
2024年、再始動イヤーではあるがthrowcurveがステージに立つのはもしかするとこれが最後?かもしれないので、ぜひこぞって集合していただけたら嬉しい。
ご来場お待ちしております。



CLUB Que 30th ANNIVERSARY EVENT SERIES
throwcurve presents
『Q児達の集合』

出演
throwcurve
佐々木健太郎 (Analogfish)
O.A:ナカムラリョウと友人

開場18:30 / 開演19:15
前売¥3,500 / 当日¥4,000(共に1Drink代別)

【チケット販売】
LivePocket https://t.livepocket.jp/e/que20241029
イープラス https://eplus.jp/sf/detail/4190040001
CLUB Que店頭 https://clubque.net
※入場順: Que店頭→LivePocket→イープラス

お問い合わせ:CLUB Que 03-5433-2500


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