元彼氏、タバコミュニケーション

成人式だった。
五年ぶりとかに同級生達に会った。みんな見た目は変わっていたけど、マインドは何も変わっていなくて昨日ぶりみたいな気持ちで話せた。

私がバンドをやっていることをみんな知ってくれていて、「かっこいいね!」ってシンプルに応援してくれて嬉しかった。
容赦無くいじっていじられて、みんなでゲラゲラ笑った。酔って色んな人に絡んでいたけど(それはごめん)、本当に楽しかったんだ。個人的に呑み行く約束もした。
こうやって永く友情は続いていくんだ。

中学時代に付き合っていた彼氏と話した。時間が空いても趣味趣向が一緒なのは変わらなくて、やっぱり話が合っちゃって、楽しかった。
今お酒注文したいんだろうなとか、彼の行動・タイミング全部察せちゃって、阿吽の連携プレイは五年ぶりでも健在だったから、周りに冷やかされてその気になった。

当時理不尽な喧嘩をいっぱいしてたのに。
「あいつとは別れな」って忠告してくれていた親友の話が当時耳に入らなかったことも謝ったのに。
そんなこと何もなかったみたいに仲良く話して、なんなら少し復縁まで考えた。完全に浮かれていた。バカだ。

彼は知らない間に喫煙者になっていた。
私も煙草を吸うんだと聞くと驚いていたけど、私の肩の辺りを手の甲で叩いてから「行く?」って誘って、目をすぐ逸らして先に歩いて行ってしまう感じが当時と何も変わらなくて、懐かしかった。

再会して一緒に喫煙所に行けたことが少し嬉しかった。

私のマルボロと彼のピースを交換して、火をつけてあげた。
私はこういうことがしたいだけなんだ。
特別な誰かにライターをかざしてあげるようなこと、それは他の誰かでは許されなくて私の灯した火だけに煙草の先を当ててくれるようなこと。それだけで満足なんだ。

一年前に別れた元彼のことも今の今まで執着していたのに、中学の友達に会った途端にすっかり気持ちがリセットされた。
その人が好きだったから思い出したくなくて毛嫌いしてたチェンソーマンも、フラットな気持ちで観たら超面白かった。

自分の幸せを、他人に委ねるな!

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