寫残録_139 写真集と映画 ~THE TOKYO TOILET
写真集と映画について、ひとり言
時期を同じくして
写真家森山大道氏が2023年11月に発売した写真集“THE TOKYO TOILET”
そして、同年12月に“PERFECT DAYS”が上映された。
どちらも渋谷区の17か所の公共トイレを、世界的な建築家やクリエイターなどが手掛けて改修した「THE TOKYO TOILET」のプロジェクトから端を発した作品。
人を感じる
公共の施設として、最近は特にきれいで清潔な感じがする。
利用者のためにその状態を保つ清掃などが行われ、同時にそうした状況から利用者もきれいに使用しているのだろうか。
写真集をみていると、人や人影が写っていなくとも、“人を感じる”。
利用したことがあるトイレ、いないトイレのどちらでも。
公共施設であり、人が利用する所として、そうしたイメージが自分のなかに刷り込まれているのか。
トイレでありトイレではない世界観
森山大道氏の写真が好きな私は、写真集もいくつか所有している。
はじめ“THE TOKYO TOILET”の発売を前に、「トイレだよな」と、購入には少し迷いもあった。
結果、“買ってよかった”と思っている。
公共のトイレだが、その写真を見て、不思議な感覚に捉われる。
トイレという概念から切り離され、別のものを見ているかのように。
人それぞれの捉え方や感覚は違うと思うが、何度も見返すなかで、感じ方も変化していく自分がいる。
繰り返す日々
映画“PERFECT DAYS”は、「THE TOKYO TOILET」プロジェクトのトイレを清掃する清掃員・平山氏を役所広司氏が演じている。
繰り返す日々、そして日常。
ドラマなどと違い、大きく話が展開することはない。
しかし、小さな出来事などが、平山氏の心の変化につながっている様で、最後までその“日常”から目が離せなかった。
小さな出来事、それが日々を暮らす人間にとってどうなのか。あらためて自身の小さな出来事にも気づきを感じたいと思わせてくれた。
何かを得たい
写真集も、映画も、同じ時期にリリースされた。
そうした背景をふくめて、「同じトイレのこと」としてではなく、双方から何か共通するものを感じられないか。
描かれている共通するもの、“自ら見出すことはできるのだろうか”とも考えながら。
写真集も、映画も、くわしくは触れない。
ぜひ観てみてほしいと思う。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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