カネコアヤノLivehouse Tour 2024/長野編
50歳のおじさん・わたしは緊張していた。
カネコアヤノに出逢える!
という気持ちで興奮しすぎて緊張していた。ライブに参戦するのであった。2024年6月28日金曜日、長野県長野シティのとあるライブハウスで。
そして、間違いなくわたしは出逢った。ご本人はもちろん、バンドメンバー、スタッフ、そしてファンの皆さんの愛や絆と出逢った。
精神障がい者のわたしは、それこそライブ参戦を生きる糧にして生活してきた。その大きな期待を、さらに大きく上回って演奏し切ってくれた。喉も体もメンタルも、出し惜しみなく表現してくれたことに感動。
素直で一生懸命だった。運動会の子どものようなまっすぐさで挑んでこられて、その気持ちをちょっと察した。怖かっただろう、不安だったろう、緊張しただろう(観る側のわたしでも緊張したのだ)。必死なあまり、かけっこで娘が走っている際の、あの独特な心配な気持ちにもなったが、笑顔を見せてくれた時は嬉しかったな。
やはり、それは恋。親の愛情と男女間の恋愛感情が入り交じった100分あまり。
当たり前だけれど、改めて「歌、うめ~なー」と感心したり、伸びやかな声に聞き惚れたり。バンドの演奏はダンスミュージックを内包した、ストレートなロックンロールスタイル。時にはゆったり、時には激しく、ジャジーなしっとりアレンジで攻めてきたり、轟音の力業で挑んできたり。あれがグルーヴというものなのだろう。
「この人の仕事は音楽なんだ!」
と納得させられた。好きなことで暮らしているって夢みたい。本当に存在するんだ、そんな人。好きなことゆえに、嫌なところは見たくも聞きたくないだろう。それでも垣間見えてしまうのが、仕事だ。それでもあんなに堂々と「音楽もバンドも楽しい!」って顔を歪めて叫んでいる姿がカッコ良かった。
加えて、歌詞の強度・色褪せなさ・メッセージ性が顕著で。古い曲ほど、それを実感できたわけだが、最新リリースの曲たちにも、片鱗を見せつけられたね。
何度か泣きたくなるシーンがあった、美しくて。号泣したかったが、泣けない体質なのを恨むことしか出来ない。
あと、彼女の大人の色気・艶っぽさを感じる仕草が何度も見られた。ドキッとしてしまう純粋なおじさんはわたしでした。特にギターを弾く右手をまっすぐストロークする仕草が好きだな。
素晴らしい時間でした。
そりゃあ、満員のお客さんも興奮するはずだ。ダサくても、やかましくても、鬱陶しくても、そのままがいいよね。奇声を発している男性、制服姿の早熟な女子高生、制御ブレーキが外れて暴れ始める若者。みんな愛しいさ。
皆、もちろん、異なった生活をしている。それなのに、一堂に会して演奏を浴びたあの奇跡的な時間は神々しい。アンコールはなかったが、満足でした。なんか彼女らしいじゃない。観る側としても本気で向き合ったから、何も思い残すことはない。
「明日も良い日にする。」
帰り道、ドリンクチケットと交換した生ビールを飲みながら誓ったよ。