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yuichiono
キム・ギドク監督に捧げる【400字小説】
向井秀徳さんが
好きだと言っていたことがきっかけで、
作品を観るように。
深い悲しみが滲む作風、
切っては語れない暴力、
そして突き付けられる孤独感。
エンタテインメントじゃない、
でも決して芸術でもない。
≪人間≫という作品を
映画にしていた人。
何本も作品を拝見した。
好きか嫌いか、
〇か×か、
はっきりする作品ばかりだけれど、
わたしにとっては、どちらでもなく、
≪人間≫が描かれていたから、
自然に観ていた。
一番好きな作品は
『サマリア』?
『ブレス』?
『受取人不明』?
『絶対の愛』?
どれも良い映画。
でも考え直したら、
セルフ・ポートレートのような
ドキュメンタリー風の
『アリラン』がとても。
今、挙げた作品は
全部DVDで持っている。
でも、何度も繰り返し観たのは
ダントツで『アリラン』。
誰かにオススメは
できない作品だけれど、
そういう秘密を持っていた方が〇。
≪監督は〇を
みっつ並べたんですね。
わたしは現実世界で
×を並べざるを……。≫
❏❏❏