見出し画像

ただの映画感想『初恋のきた道』

★★☆☆☆

チャン・ツィイー主演(若き日のディ役)。彼女の存在自体が芸術。初恋の相手である先生チャンユー(演じたのはチョン・ハオ)との距離がもどかしく、いつまでも接近しない《不器用》さに悶えた。この映画の肝だろう。とにかく昔の話なので、ディが待ち伏せするシーンも多かった。《待つ》も映画の心臓。来るかもわからない人を待ち続けるなんて、今の時代にしたらストーカーとか言われる奇行だろう。それだけ純粋であった。《走る》シーンも間違いなく見所で、そういえば『キューポラのある街』の吉永小百合も走るシーンが印象的だった。美少女が走るとときめくは世界共通なのか。良かったのは、ラストの現在に戻ったモノクロのシーンで、亡くなったチャンユーの遺体を皆で担いで家に戻すところや、お婆さんになったディが「親はいつになっても子どもが心配」と涙した展開。この10数分のシーンのためにある映画だと感じた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?