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雪女、絶世の美女【400字小説】

猛吹雪のなか、小屋で晩酌をしていた。茂作と囲炉裏の湯で熱燗にした日本酒を「アツッアツッ」と飲んでいた。鍋の猪肉が「グツグツ」言っている。酒のまわったボクはいつの間にか眠ってしまう。酷く寒くて目を覚ました。それで宴会なんて夢だったことを思い出す。戸が開いて雪が吹き込んでいた。茂作の倒れた体の上に雪が積もっている。か細い女が傍らに立っていた。「このことを言ったら、てめえも殺す」と女はドスの利いた声で忠告した。ボクは女が美しすぎて、言葉を失っていた。そして残念なことに「これも夢だ」と悟ってしまった。朝、目を覚ますとそこは温かい居間だった。「あなた、目が覚めた?」と透き通るような声で女が言った。彼女もまた美女だった。「昨日の残りの猪鍋食べる?」と言うので、ゾッとした。また夢だ。ところが「わしは食うよ」と美女の隣にひょっこり座っている茂作がいて、「現実であってくれ」と祈った。女は夢のように美しいまま。

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