おむすびころりん、○か△か【400字小説】
△か、○か。我々にとってそれはとても重要な事項。正直、どちらでも転がってくる意味では、どうでも良かったりする。でもね、「♪おむすびころりん、すっとんとん♫」っていう歌を歌うには△の方が向いてる。△の角がリズムを刻んで転がり落ちるからだよ。○だとコロコロとスムーズに転がりすぎてグルーヴがないんですよね。△だから当然、三拍子を叩く。難しいと見せかけて、するするっと歌えるんだな、これが。「♪おむすびころりん、すっとんとん♫」というフレーズが秀逸なせいもあるけれど、桃太郎がサル、イヌ、キジをお供にしたような奇跡の出逢いが△と歌のそれで。でも、転がってくるおむすびは断然、○が多くて、△が来たら、もう運命。それで出逢ったのは財宝をあげたじいさん。ほかの人はてんでダメだった。△か○かで、人を選り好みしたりすることはあってはならない。でも、△が好印象◎。って、どっちやねん。□は今までないな。それはそれで◎?
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