ただの映画感想『吸血鬼』
☆☆☆☆☆(評価不可)
はじめに言っておくと、わたしには理解できない作品だった。デンマークの巨匠(らしい)カール・テオドア・ドライヤーの傑作(らしい)。公開は1931年と90年以上前の映画がこの時代に再び上映されるということは、素晴らしいし、それだけ価値のある芸術なのだと思う。映像の美しさや、音響による刺激的な効果を感じることがわたしでもできたかもしれない。正直、途中、何度も眠くなってしまったのだけど。パンフレットにあるようにセリフは極限まで削り取られている。それが難しく思わされた要因のひとつかな。あまりにわからなかったので、逆にもう一回観てみようかとも考えていたり。終演後、トイレにいた見知らぬ男性に「ドライヤーってそんなにすごいんスか?」と訊きたくなるほど難解だった。あと、ロビーでボーッとしていたご婦人は余韻に浸っているように見えたのも、奇妙だった。あと1年ちょっとでわたしは50歳。それまでにわかるようになりたい。