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実用新案法48条の16 決定により実用新案登録出願とみなされる国際出願

 本条は、受理官庁が国際出願日を認めることを拒否した場合などの救済規定です。

 具体的には、(i)受理官庁が国際出願日を認めることを拒否した場合、(ii)取下擬制の宣言をした場合、(iii)国際事務局が所定期間に記録原本を受理しなかったと認定した場合は、指定官庁に対してその拒否等が正当であるか否かの決定を求めることができます。この指定官庁は、日本国特許庁です。

 日本国特許庁は、この求めに応じて拒否等が正当であるか否かの決定をします(実用新案法48条の16第3項)。日本国特許庁が、正当ではない旨の決定をした場合、日本においては拒否等がなされなかったものとして取り扱われます(実用新案法48条の16第4項)。


・実用新案法48条の16

(決定により実用新案登録出願とみなされる国際出願)
第四十八条の十六 条約第二条(vii)の国際出願の出願人は、条約第四条(1)(ii)の指定国に日本国を含む国際出願(実用新案登録出願に係るものに限る。)につき条約第二条(xv)の受理官庁により条約第二十五条(1)(a)に規定する拒否若しくは同条(1)(a)若しくは(b)に規定する宣言がされ、又は条約第二条(xix)の国際事務局により条約第二十五条(1)(a)に規定する認定がされたときは、経済産業省令で定める期間内に、経済産業省令で定めるところにより、特許庁長官に同条(2)(a)に規定する決定をすべき旨の申出をすることができる。
2 外国語でされた国際出願につき前項の申出をする者は、申出に際し、明細書、請求の範囲、図面(図面の中の説明に限る。)、要約その他の経済産業省令で定める国際出願に関する書類の日本語による翻訳文を特許庁長官に提出しなければならない。
3 特許庁長官は、第一項の申出があつたときは、その申出に係る拒否、宣言又は認定が条約及び特許協力条約に基づく規則の規定に照らして正当であるか否かの決定をしなければならない。
4 前項の規定により特許庁長官が同項の拒否、宣言又は認定が条約及び特許協力条約に基づく規則の規定に照らして正当でない旨の決定をしたときは、その決定に係る国際出願は、その国際出願につきその拒否、宣言又は認定がなかつたものとした場合において国際出願日となつたものと認められる日にされた実用新案登録出願とみなす。
5 第四十八条の六第一項及び第二項、第四十八条の七、第四十八条の八第三項、第四十八条の九、第四十八条の十第一項、第三項及び第四項、第四十八条の十二から第四十八条の十四まで並びに特許法第百八十四条の三第二項、第百八十四条の九第六項、第百八十四条の十二第一項及び第百八十四条の十四の規定は、前項の規定により実用新案登録出願とみなされた国際出願に準用する。この場合において、これらの規定の準用に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。

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