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距離短縮ローテのワナ
競走馬には、道中速いペースで追走したい馬と、ゆっくりとしたペースで追走したい馬がいる。血統で言えば、前者は米国血統馬に多く、後者は欧州血統馬に多い。
一般的な馬券戦術として、速いペースでの追走を好む馬に対しては距離短縮ローテ狙いが有効とされる。その理由は、前走よりも距離が短くなることで、道中のペースが速くなりやすいからだ。
反対に、ゆっくりとしたペースでの追走を好む馬に対しては、前走よりもペースが緩む距離延長ローテ狙いが有効となる。
つまり、この馬券戦術の本質は距離ローテではなく、道中の追走ペースが前走よりも速くなるか遅くなるかの判断が肝である。
距離短縮ローテだからといって、必ずしも前走よりも道中の追走ペースが速くなるとは限らない。その代表例がダートだ。
JRAのダートコースには、ダートスタートのコースと芝スタートのコースがある。ダートレースのテンの速度は、一般的にダートスタートより芝スタートの方が速い。
例えば、
阪神ダート1400m (芝スタート)
→阪神ダート1200m (ダートスタート)
の距離短縮ローテの場合、追走ペースはむしろ前走よりも遅くなっているケースがある。
ところが、上記のローテで好走した馬を道中のペースの比較なしに【ハイペース追走を好む距離短縮が得意な馬】と決めつけてしまうと、
東京ダート1400m (ダートスタート)
→中山ダート1200m (芝スタート)
の短縮ローテで痛い目を見ることになる。このローテでは追走ペースが前走よりも明らかに速くなるからだ。
このように、見た目は同じ短縮ローテでも追走ペースはまったく異なるケースがある。前走距離ローテ戦略は、追走ペースという本質を意識することでさらに有効な戦略になると思う。