ある陸上競技選手の足跡:1995-98:高校生時:スピード練習の思い出
当時、日本トップクラスのチームだった西脇工業高校。一部の選手が強い訳ではなく、入部してくる選手の実績たるや・・・
全中経験者は多数。それどころか全中優勝・入賞者。駅伝全国制覇など、有数の選手たちが集まっていました。
そんな選手たちはお互いが中学校からのライバルであり、途方もない負けず嫌い。練習、特にスピード練習になると全力疾走。1本1本に勝負が掛かります。
もうその辺のレースを走るより強烈でした
当然、故障も増えるのですが、ちょっとでも出遅れるとレギュラーが遠のく為、治すのも必死。とにかく弱味は見せず、絶対負けたくないという気持ちが渦巻いていました(笑)
当時はただかけっこ競争しているような気分で毎回全力で走り、1本1本どうやったら勝てるか真剣に考えて臨んでいました。そう、相当真剣です。
スタート前から気持ち備えているし、「ゴー!」の掛け声から一斉に全力で飛び出していって位置取りからするんですから・・・
実は西脇工業のスピード練習は当時、お行儀よく並んでペースを刻むなんてしません。レースさながらのスタートダッシュと位置取りをします。
いや、もっと言うならレースはもう少し距離も長いし、慎重になるし、多少は協力的な気持ちに「最初だけ」はなるのですが、練習では闘争心むきだしですからね・・・
800mや1500mの実戦レースよりよほど良い経験が積めますよ(笑)
あれだけの力の拮抗した実力者が揃って、闘争心むき出しで勝負していく。そりゃ伸びますよね・・・今考えるとスゴいシステム、鍛錬の場でした。
その代わり、弱気になる選手は正直キツイです。その場合は新たな道を選び、就職や進学に向けて資格を取ったり、勉強する方向に切り替えた人も居ます。
そういった選手たちの想いも背負いつつ、絶対どこにも負けられないという想いも持っていました。
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超競争チームを創るのは並大抵ではありません。それにそれだけハイリスクになる部分も生じるでしょう。どの辺まで「勝負」を意識したチームにしていくか。先ずは最初に方針を立てる必要があるでしょう。
中途半端なバランスを考えると「競争」は成立しなくなります。その辺をどう考えるか?どうしても勝たなきゃいけないか?セーフティーネットやフォローをどうしていくか?色々検討、工夫しながら全校のバックアップが必要だと思います。
チーム方針ってそれだけ難しいんですよね。ただ自分は本当に強いチームで切磋琢磨し、伸ばして頂けたのは確かです。