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社会主義国キューバの人たちは幸せなのか?
キューバの首都ハバナに降り立つ。沖縄のようなむんとした熱気を感じる。どうしても行ってみたかった国キューバ。社会主義と言われる国。給料がみんな平等で配給制度がある。教育・医療は無料。そんな事前情報をもってやってきた。
空港からのタクシーは20$と高いので、ネットで調べた情報をもとに地元のバスで行くことにした。バス停がどこかわからなくて、片言のスペイン語で尋ねてみると、場所を教えてくれた。さらに、キューバペソ(キューバの通貨)を持っていなかったのだけど、おじちゃんからもらった。キューバの人たちは優しいななんて思いながら、バスに乗り込んだ。
首都ハバナに着いた時の感想は首都なのに暗すぎるということ。街灯が全然なくて、家の中の明かりも全然ない。
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ご飯を探すのにも一苦労。地元のお店入ってもメニューにあるのはビザやパスタばかり。しかも味がいまいち。何か足りないような感じがする。
いきなり飛ばすけれど、そんなこんなで、キューバでは約2週間過ごした。ハバナ、ビニャーレス、トリニダードに滞在した。地元の人、日本語ガイドのキューバ人、日系人、 CASAの家族(キューバではホテルかCASAというホームステイが一般的)など多くの人と話した。今、キューバで何が起こっているのか。キューバの人たちは幸せに過ごしているのか。
幸せでは無いと思う。まず、物がない。本当にない。野菜は痩せ細っていて、肉は高価な商品になっている。日用品にいたっては、歯ブラシさえ見つけるのが難しい。コンタクトの洗浄液を買いたくて、色々お店を周ったけれど、ついに見つけることができなかった。物がない理由は、アメリカの経済制裁で輸入困難、国にお金がない、食べ物を作るノウハウがうまく確立されていないなど色々ある。
キューバは社会主義国であって、基本的にみんな給料は一緒。なんと月3000円!医者も教師もみんな同じ。だから、他にお金が欲しくて、民泊を始めたり、どこかから手に入れた物をさらに高く売ってお金を稼いだりと、副業をする人も多い。特に観光業。観光客はドルやユーロを持っているので、欲しい人が多い。なぜ欲しいのか。それは他の国、特にアメリカに移住したい人が多いから。あとは、他国に行って物を買うときにキューバペソは弱すぎて両替できない。だから、ドルやユーロを持って、現地の通貨に両替して物を買う。
あと、2021年にキューバにあった2つの通貨が統一されたのと、コロナ後のインフレもあって物価が上がっている。地元客のお店のピザが300円って高い。
物も無くて、お金も無い。それでも、キューバの人たちは踊って笑って楽しそう。そのように見える。でも、違う。若者の1番の目標はアメリカに行くと。そこで物質的に豊かな暮らしを手に入れること。キューバでは2軒、民泊を利用した。そこで朝ごはんと夕ご飯を何度か食べた。
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豆のスープ、白米、野菜、お肉。どの家も似たような食事だった。これはお客さんのための食事だから豪華なほう。普段はあまり肉なんてない。さらに、調味料は塩とオイルっぽい物と酢だけ。他の調味料は見かけなかった。
何十年もキューバに住んでいる人は、今がいままでで1番ひどい状態だと言っていた。政治のトップだったカストロが亡くなって、弟が跡を継いだ。その弟は辞めて、今はその後継者が跡を継いでいる。だから、結局は同じ方向を向いて、これまでと同じ考えで上に立ち、国を動かしている。
2週間キューバで過ごして思ったのは、物が無さすぎると人々は荒み、尊厳が失われていくということだ。街を歩いていると何回もお金をねだられた。散髪をすると外国人価格で高くお金をとられた。人々は完全に外貨頼みの考えで生きている。
ハバナの中心は観光客向けのホテルが立ち並び、そこだけ明かりが輝いている。周りはひっそりとし、暗闇だ。建物も老朽化が進み、急に崩れて人が亡くなることもある。バスが足りなさすぎて、人々はヒッチハイクをしている。インフラも整備されていない。
教育や医療は無償だといっても、そもそも教科書や医療器具がない。
物があり過ぎて、きちんと整備されている日本。それとは真逆の生活だったように思う。社会主義という理想を掲げても、人々が最低限の暮らしを維持して余裕をもった暮らしができなければ、それは単なる妄想に終わってしまう。社会システムが人を腐敗させる。キューバの人々は幸せなんかじゃない。物とお金が無さ過ぎて満足できない生活の中で、なんとか幸せを手に入れようと、少しでも楽しく生きようとしている。人々から話を聞いて、自分の目で見ると、そう映った。