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ある日のカフェにて

都心のカフェで作業をしていると必ず遭遇すると言ってもいい”怪しい”ビジネスの話をする小綺麗なスーツを着た男とその話を聞かされている気の弱そうな男や女やカップル。

ビジネスをしかける男が、今日も熱のこもめた話し方で早口に相手をまくしたてる。そんな話を同意しかできない頭の悪そうなカップルが嬉しそうに聞いている。何がそんなに面白いのか最後の方には両者の高い笑い声が店内にこだましていた。

大体の話が、”お金”やら”人生”やら自分の持論をとんだ秘密を打ち明けるかのように語っている。

ああ、やめてくれ。こんなのはうんざりだ。そんなことを思いながらも作業を続けているとカップルが帰っていくようだ。やれやれようやくか。と思ったのもつかの間、今度はまた新たなカップルが嬉しそうに男の席に向かい挨拶を始める。そうすると男はまた同じ熱量、声量、スピードでまた同じような話をはじめ、またカップルは嬉しそうに同意する。そんなことの繰り返しに何とか集中力を保つことに奮闘している土曜日の午後の私。はあ、そろそろ帰ろうか。


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